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ラグビー妻の頭んなか

2024.03.20 公開 ツイート

引っ越し、お昼寝、ウォーキングデッド中にイエローカード…。でも一番の敵は、"あの"お菓子。<ご報告あり> マフィあずさ

皆様お久しぶりでございます。
実は2月、多忙を極めておりまして、とても日常をコラムにできる状態ではなかったのでワガママを言い連載を1回お休みさせていただいておりました。

なぜ忙しかったのかと申しますと実は引っ越しをした我が家。

 

はい、このラグビーシーズン中に。
本当に猫の手も借りたいとはこういう事を言うんですね。ほんまに猫の手がきても困るけども。
1日に1回は思考が停止してしばらく一点を見つめてしまうほど参っておりました。
そして毎週末にあるラグビーの試合、そのたびにどこかしらを痛めて帰ってくる夫。
もともと引っ越しに関して彼にしてもらう事はあまり無いのですが、どこかが少しでも痛いと唯一できる重い物を運ぶ事すらさせられない。猫の手の方がまだマシ説。分かっている。それを見越してのこの引っ越しだ。私ひとりで全てをやるのは百も承知である。

しかし、引っ越し当日。
この数ヶ月の中でもおそらく今日この日が1番ピークに忙しいであろう日。
お昼過ぎ、まさに引っ越し屋さんが来る5分前。

みんな寝てた。

わしゃ1人で引っ越すんか?
ウトウトとかのレベルじゃないやん。ちゃんと寝てるやん。
子ども達は分かるよ。お昼寝しちゃうよね。
でもお前は起きとけよ、夫。
「スヤァ」じゃないのよ。しっかり肩まで布団かけちゃって。なめとんか。
引っ越しのトラックがすぐそこに来てるとは思えない絵面すぎて写真を撮りましたが、すぐに全員叩き起こしました。

そしてここから引っ越しのドタバタ劇が始まるわけなのですが、それはまた別の機会に書くとしましょう。

一難去ってまた一難

こんな感じで多忙を極めていた訳なのですが、
その中でもラグビーの試合はちゃんと観に行っていた我が家。最近はもう私1人で3人連れて行けるようになってきました。行くたびに白髪が増えそうになるくらいのストレスですけども、去年に比べたらだいぶ連れて来やすくなってきた我が子達。
もう“妖怪・階段のぼりおり”はいないし、気に入らない事があるとイルカにしか聞こえないような高音ボイスを発するマライアキャリーもいない。最近は多くのチームが子ども達のためにキッズエリアを設けてくださっているので、いざと言う時も安心。
これでもうお菓子さえ持参すればしばらくの間は座っていられるステージにまで成長してきたのです......!

しかし。
一難去ってまた一難。
最近また新たな悩み事ができてしまいました。
それは

試合中しっかり寝ちゃうこと。

ダディ見ようよ。頑張って走ってるよ、ボール持って。

まだまだラグビーに関心がない我が子達。ダディが出てようが出てまいがお構いなし。
会場についてマスコットキャラに会い、走り回り、その後チームがウォーミングアップしてるところ、入場してくるところ、もうそこらへんをお菓子を食べながら観れたら彼らの今日のイベントは完全に終わりなのであります。
彼らにとったらラグビーの試合は「遊びに来ている後ろでなんかダディが走り回っている」レベルなのだ。

そして前半の途中らへんにはこのようにしっかりと横に寝転んで寝始めるのである。
普段昼寝せえへんのに、なぜラグビーの日だけ? イスの境目も絶対痛いのに。不思議だ。

先日の試合。
まさかの3人ともが同じタイミングで眠いとぐずりだし、結果横になってご就寝という日があった。3人いっぺんに言うなよー! と頭を抱えたが、
ふと思った。
も、もしや......ゆっくり試合が観れるのでは?? ついにこの私にも......? 子連れなのに静かで快適に試合を観れる日が......!? と。

しかしそうはいかんざき

試合開始前までは空席が沢山あった自由席も前半の中盤にはどんどん埋まりだし、あっという間に周りには沢山の人が座っていた。
どうしよう、申し訳ない。そしてシンプルに恥ずかしい。めちゃくちゃデカい1年生と、少しデカい年中さんと、まだ年少にもなってないのにめちゃくちゃでかい3歳が堂々と寝転んでいる。トータルみんなすごくデカい。さすがに起こすべきなのか......。

起こすと下の子は癇癪をおこしてマライアキャリーを憑依しかねない。
かといって抱っこするのもキレるだろう......。
いや、せめて1人だけでも抱っこするべきか......。
どうしたものか......。
考え抜いた結果、私にできる事はもうただひとつ。

試合を観る。
もし誰かに怒られたら謝ろう。そしてみんなを起こそう。一か八か、試合を観よう。
ヒヤヒヤしながらの観戦だったが、なんとか少し観れた。

そしてハーフタイムに差し掛かろうとしていた時、3人同時にムクっと起床。
そして今度は「トイレ行きたい」と。
今回も出ましたね、必殺技スーパーミラクルバッドタイミングおしっこ。しかしハーフタイム前のトイレの廊下はウォーキングデッドのゾンビなみに人で溢れており、地獄絵図。
これは無理だ。ミショーンぐらいじゃないと、この人混みの中を生還することはできない。3人が一瞬でいなくなる未来が見える。
結局友人について来てもらい、空いてるトイレを目指して歩いた。

子育てする前はこんなにもお手洗いが大イベントになるなんて知る由もなかった。
3人(1人は男の子)のトイレの見守り、さらに自分となると、これだけで冬でも大汗をかく大イベントだ。
家族で入れるトイレが無い時は、長男がトイレから出てくるまで入り口でテルマ並みの「ここにいるよ」を大声で唱え続け、事件に巻き込まれないように母の存在をアピールしなければいけない。命のコールアンドレスポンスだ。
そして友人に長男を託し、その後で女子2人のトイレだ。ドアを閉めるか閉めないか問題に、ティッシュの境目が分からない、またはスカートが床に付かずにちゃんと用を足せるかなど、こっちはこっちで問題が山積みである。
もちろん全員終える頃にはハーフタイムなんかとっくに終わり、試合が再開している。

ひぃひぃ言いながら3人を連れて席に戻ると、一緒に座っていたチームメイトの奥さんが私にこう言った。

「ナキさん、イエローカードです」

天を仰ぐ。

どうやら私達が席を立っている間にカードをもらい、トイレでいなかった10分間、夫もフィールドにいなかったらしい。

いっそのこと知りたくなかったわ! 笑
くそう!!!!! ごめんなさい!

そしてそこからまたエネルギーチャージした3人のクレームや話を聖徳太子並みに聞きながら観戦し、後半40分間耐えに耐えてノーサイド。

試合終了後、1番近くに座っていらっしゃった夫のチームのファンのご夫婦に「ずっとうるさくしてすみませんでした」と声をかけに行くと、
「全然大丈夫です、ご主人頑張ってましたね」
と言ってくださった。

イエローカードもらったのに......負けちゃったのに......ねぎらってくれるなんて......
もしこれを読んでいらっしゃったら伝えたい。きっと前を何百回と往復していたであろうせわしない我が子を、急に旗をふったりして視界をさえぎりまくっていたであろう我が子を、温かい目で見てくださり、ありがとうございました。
寝転んでごめんなさい......。

毎試合毎試合あるドラマ(私達側の)。
いつまで経っても何事もなく静かに落ち着いて観戦なんてできやしないのだが、それでもいい。
今週もめげずに私達は行くのだ。

新たな敵

そんな夫。
ただいまシーズン真っ只中であり、このように毎週末試合があるので身体が重くならないように日々の食生活を気にしている。

毎日体重を測り、少しでも増えると
「今日はシロゴハンなしでオネガイシマス」と私に注文してくる。そういう時は大体お刺身や、鶏の胸肉などできるだけ油を使わないご飯にするのだが、困った事がある。

夜ご飯を食べた3時間後くらいに、私の目を盗んで何かを食べているのだ。
1斤あった食パンが朝見ると半分なくなっていたりする。トンガの人はやわらかいパンをギュッと握って小さくして食べる習慣があるので、もしかしたらそれでカロリーゼロになると思っているのかもしれない。パン側もせっかくふわふわに仕上がったのにこんな大男に握り潰されるなんて、夢にも思っていなかったと思う。

ふわっふわのパンをカッチカチに

最近は試合の前の日なんかに
「今日夜何食べる?」と聞くと

「うーん、ホンマにかるーくでダイジョブ。
チョットだけ、チキンカツとパスタ」

ガッツリやないか
何がチキンカツとパスタや

こういう類のエピソードは、
上沼恵美子とかがよく言う夫の「今日は軽くそうめんでいいよ」と言うのに対して、「そうめん湯がくのどんだけ大変やおもてんねん!」とキレるのが正解なオチなのだが、
どこの世界に「軽く」でチキンカツリクエストする奴がおんねん。工程教えたろか。ほんでさらにパスタや。その時点でそうめんの域超えてもうてる。私が上沼恵美子じゃなくて良かったな。
もうほぼ上沼恵美子やけど。

でも実はこれは仕方ない。
彼にとってのチキンカツは試合前気合いを入れたい時のとっておきご飯だ。なので文句は言わずに(ここで言うてる)軽く揚げさせていただいた。
チョットと言っていたのでもも肉を1枚揚げて半分私が食べた。パスタも作らせていただいた。

そしてその夜。
「チョットコンビニいくわ」と言い出かけた夫。
いつも試合の前に買うエナジードリンクを買いに行ったのかなと思っていたら

「ハイ」

と私にアイスを買ってきてくれていた。
どしたんと聞くと
「最近あちゃんかわいそうな思いさせたから」
と引っ越しを私だけにやらせてしまった事と地獄の2月への謝罪だったらしい。ありがとうと受け取り、テーブルで1人食べていると向かい側に座った夫が私をじーっと見て

「おいしいナノ?」

と聞いてきた。笑
絶対欲しいやん。ほんまに私のためかコレ? 笑

「食べる?」と聞くと「ダイジョブ」と断られた。

そしてその1時間後
案の定やはりお腹が空いたのだろう、キッチンに現れて何やらゴソゴソと食べ物を物色しだした夫。

「なんもないで」と言う私。

するとパントリーのお菓子コーナーからスニッカーズを取り出し、さらに冷凍庫からさっきのアイスを取り出す。
そして私に「コレ、どっちが太るカナ?」と聞いてきた。

天秤にかけるもん同じすぎるやろと思いつつ、
「どっちも太ると思う」と言うと「ソウヤナ......」と言い2つとも戻す、悲しき大きな背中。やっぱり食べたかったんやな。

そして就寝前。
いつもベッド脇に『Game Ready』という冷却しながら加圧ができるマシンが置いてあるのだが、ふと見ると氷水が入りっぱなしだったので、寝る前に流しておこうと持ち上げた私。

するとマシンを入れているバッグの底から、何かの空袋がひらひらと落ちた。

スニッカーズだった。

食うたんかい!!!!!
こっそり食うな! せめて隠蔽せえ! 何がGame Readyや! 笑

このスニッカーズの一撃にはくらった。
私もまだまだ修行が足りないという事だ。
もっとヘルシーで美味しくお腹いっぱいになれるようなご飯を作らないと。負けない。
スニッカーズに負けない! 笑

 

ラグビー妻の旅はまだまだ続く。

 

~ご報告~

この度私の今までのnote、コラムが幻冬舎さんで書籍化される事が決定いたしました。
新たな書き下ろし、完結していなかったイギリスでの生活やオーストラリアでの生活の話。育児の話や夫婦の話、ラグビーの話はもちろん、今回の引っ越しの話も。

国際結婚やアスリートを支える妻ってすごくキラキラして見えてたのに、いざなってみるとおもてたんと違う!な私の人生を書いています。

過去の辛かった出来事も時間がたてば笑えるんだねと皆様にクスッと笑っていただけるような
「あるある~」と共感してもらえるような
「なんかよう分からんけど元気でた」と思ってもらえるような
そんな本を書きたいと思っています。

連載の方はしばらくお休みしますが、本の出版に向けて頑張りたいと思います!
よろしくお願いいたします。

またね~。

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ラグビー妻の頭んなか

マフィあずささんの夫は、 元ラグビー日本代表で横浜キャノンイーグルス所属のアマナキ・レレイ・マフィ選手。トンガ王国出身・189㎝・112kg・マイペース。

元気でやんちゃな3児と暮らす生活は、笑いあり、涙あり、疲れあり……。

ラグビーファンに大人気のくすっと笑えるコラムを、月1連載でお届けします。

バックナンバー

マフィあずさ

京都府出身34歳。パートナーのアマナキレレイ・マフィはトンガ出身のラグビー選手。横浜キヤノンイーグルス所属。

趣味で始めたブログラジオで子育てや日常の鬱憤を晴らし、日々奮闘中。

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