仕事の打ち合せを兼ねてのランチ。
「パーコーいきますか」
「パーコーいきましょう」
3人そろってパーコー麺。ラーメンにトンカツがのっかているという、なかなかハイカロリーな食べ物である。
食べ終わり、打ち合せも終わり。
その日は雨だった。夕方から雨がどんどん強くなるようなので早く帰ったほうがいいのはわかっていた。しかし、トンカツラーメン、いやパーコー麺を食べたせいか、わたしはエネルギーに満ちていた。
もっともっとエネルギーを欲していた。
それで、ショートケーキを食べることにした。トンカツ&ラーメン&ショートケーキ。いいじゃないか、やってやろうじゃないか。
わたしはカフェでショートケーキと紅茶を注文した。紅茶はアッサム。今、アッサムとダージリンの味の違いについて探求しているところだが、別々に飲むとよくわからない。長い紅茶旅になりそうだ。
ショートケーキが運ばれてきた。四角タイプだ。生クリームにささっている紙に「1963」という数字があった。この店がオープンした年、というお知らせだろうか?
ならば、1963年のできごとを見ながら(ウィキペディア)食べようではないか。
日清食品が日清焼そばを発売したらしい。
エースコックがワンタンメンを発売したらしい。
つい食べ物の話題に目がいってしまう。
田辺聖子さんが芥川賞を受賞された年でもあるようだ。
ショートケーキはあっという間に消えてなくなった。イチゴがごろごろ入って食べ応えがあり、満ち足りたゾと思っていたところに、店員さんが鳥かごを持って歩いてくるのが見えた。
え、なにごと?
鳥かごは窓辺の席の女性たちのテーブルに。アフタヌーンティーセットのようだ。思わずじーっと見る。
かごオープン。
いちごのデザートがあれこれ入っていた。これから楽しい時間を過ごすのだなぁとこちらまでわくわく。窓の外の雨はどんどん強くなっていたが、「まぁ、ええか」とポットの紅茶を継ぎ足した。
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うかうか手帖
ハレの日も、そうじゃない日も。
イラストレーターの益田ミリさんが、何気ない日常の中にささやかな幸せや発見を見つけて綴る「うかうか手帖」。