●竹糸・会社員・23歳・男性・東京都
今は会社が理由もなくつらいのですが、元をただせば何につけてもつらいという感情を抱いてしまうことについて、ご相談させて頂きたく投稿いたします。
私は23歳で、この春から社会人になりました。世間的には羨まれる学歴から羨まれる会社に入ったと自負しております。
また会社も、学生時代の友人の話と比較すると、比較的に労働環境の良い所に入ったと思われます。
極端な残業はなく(毎日2~3時間程度)、ハラスメントなどもありません。嫌いな上司・腹が立つ同僚というレベルならば居ますが、そういうものだという理解はしております。
一方で、自分は恵まれているなと頭では思いつつも、どうしても会社が嫌でたまらなく、酒の摂取量は増える一方です。
「何が嫌なのだろう」と考え、思いつくことは些細なことばかりで、「自分は根性なしなのか」と思う毎日です。
本当に理由もなくイヤでたまらない、としか表現ができません。
元を辿ると、学生時代からそうなのでした。
1年後に受験があれば1年間その受験に怯え続け(受験は十分人生における重大イベントとは存じますが、そうはいっても私の思考の全てを支配するほど重要なイベントとは思えません)、成績が壊滅的に悪い等の特段理由もないのに「つらいなあ」と思うだけで日を過ごしました。
大学院時代も同様でした。
その時には「自分は無収入でただ学んでいるというこの不安定な日々を憂鬱に思っているのだ」と自らを納得をさせていたのですが、社会人として給料を頂ける生活になった以上、その理屈は通用しません。
もうただ、つらいからつらいのだとしか思えません。
私は、なぜ、こんなにもつらいのでしょうか。
回答:あなたは唯一自覚できる“つらい”という感情をご自身にぶつけ、他の感情を引き出そうとしているのです。
私にはあなたのお悩みが、分からないわけではありません。
大学受験を控えた高校生の頃、大学受験がいやでいやでしょうがありませんでした。
私は、その気になれば全然いい大学に入れるのにと、おそらくは担任教師に思われていたはずですが、「その気になる」などということはありませんでした。
「受験勉強なんかはしたくはない」と思う私に、「じゃなにになりたいんだ?」と聞いても、明確な答は返って来ません。
「なりたいもの」がないわけではないけれど、それをやれるだけの腕とか技術があるのかと言えば、これもまた「自信がない」で、だから「なにになりたいか」をはっきりと言えない状態でした。
私は宙ぶらりんで、受験勉強ばっかりやっている人だらけの教室にいて、ずーっと「つらい」と感じていました。
「だから、私はあなたにそっくりで、あなたのつらさがよく分かる」と言って、あなたに納得してもらえるでしょうか?
もしかしたら「違う」と言われるかもしれません。
あなたのお悩みは、「自分が本当にしたいことは別にあるのに、それが出来なくてつらい」というものではないからです。
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