6月30日午後3時46分、トランプ氏が現職の米大統領として初めて軍事境界線を踏み越え、北朝鮮側に入って金正恩朝鮮労働党委員長と固い握手を交わした。世界中の多くのテレビとネットによってライブ中継された「板門店会談」。その「歴史的瞬間」に息を呑んだのは私だけではないだろう。
多くの識者が批判するように、このドラマを「壮大な政治ショー」と切り捨てることは簡単だ。具体的な成果が何もないことは否定しようがない。とはいえ、今回の会談は、二人の仲が1年前の初会談のときから深まり、敵同士から「持ちつ持たれつ」の間柄になってきたことを強く印象づけた。問題は、二人の「親交」と非核化の関係だ。仲良しになれば、北朝鮮は核を廃棄するのか。
ここから先は会員限定のコンテンツです
- 無料!
- 今すぐ会員登録して続きを読む
- 会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン
トランプ時代の地政学
「世界の警察官を辞める」だけでは収まらず、いまや世界秩序の攪乱要因になりつつあるトランプ大統領のアメリカ。海外取材経験の豊富なジャーナリストであり、国際政治研究も続ける著者がトランプ大統領・アメリカの本音を読み解き、日本とのかかわりを考察する。