無意識にベストな選択ができるようになれば、幸せに近づくワタナベ薫

新しい年が始まり、今年こそ何かを変えたい！と願う方もいらっしゃるでしょう。

人は毎日、無意識に色んなことを決めています。だからこそ「直感」を鍛えておけば、ベストな選択をできるようになり、人間関係、仕事、恋愛…そして人生が変わっていきます。直感を磨くほど、幸せになれるのです。

人生は選択の毎日。情報が溢れる今だからこそ知っておくべき、一瞬で最高の決断をする方法を、メンタルコーチで人気ブロガーのワタナベ薫さんの著書『人生が変わる! 「直感」の磨き方』から、少しだけご紹介いたします。

人の行動を支配する「直感」の正体とは何か

「直感」と「潜在意識」。このふたつは切っても切れない関係です。

まず、後者の潜在意識から説明いたしましょう。

潜在意識とは、人間の無意識の部分です。本人が自覚していなくても、行動や考え方に影響を与えるもので、人は無意識に支配されているといわれています。

あなたもお聞きになったことがあるかもしれませんが、無意識が人の行動を決定する割合は95％とも97％ともいわれており、私たちはほとんどそれに支配されて意思決定、行動をしています。最初に無意識について提唱したのは、精神分析学者のフロイトです。のちに彼の弟子であるユングがさらに仮説を立てて追究し、今の自己啓発という形で受け入れられるようになりました。

もう少し説明を加えると、潜在意識に対して、「顕在意識」という、自分で意識している部分があります。それは左脳の役割に近いもので、思考したり計画したり、未来を考察したり、リスクを計算したりといった、論理的思考です。頭で分かっていること、意識できていることを指します。この顕在意識、つまり意識して頭を使っている部分はたったの3％とも5％ともいわれています。

とてつもなく大きなピラミッドをイメージしてみてください。ピラミッドの土の中に埋まっている部分は潜在意識、地上に顔を出している部分は顕在意識です。顕在意識は、地上に顔を出しているピラミッドのてっぺん、3％くらいの部分とイメージすると分かりやすいでしょう。そして、土の中に埋まっている部分の上のほうは、あなたの習慣や癖といったもので、それも潜在意識の一部です。

そしてもっと底のほうに行くと、あなたのセルフイメージ（自己認知）が、そして様々な経験や知識、知恵（記憶にないものも含む）が収められています。

さらに底に行くと、あなた以外の、現在または過去のすべての人々の経験や知識、知恵、スキル……といったものとつながっている「集合的無意識」（偶然の一致やシンクロニシティと関係がある部分ですが、後で詳しく説明いたします）といわれている部分に到達します。それはすべての叡智の源です。

では直感とは何でしょうか？『大辞泉』における定義では、「推理・考察などによるのでなく、感覚によって物事をとらえること」とあります。つまり、考えてからではなく感覚で無意識に意思決定をすることです。イメージとしては、先ほど述べた大きな意識全体のピラミッドの中から、最も適切で効果のある、あなたにとっての最善の答えがピョコン！　と飛び出してきて決まるような感じです。

直感は、一瞬のもので、通り雨のようなものです。思いもよらないときに、アイディアが急にひらめいたり、降りてきたり、フラッシュのようによぎったり、ザワザワしたりして、直感でGOサインとSTOPサインを捉えることができます。

これも後でさらに詳しく扱いますが、潜在意識という大きなソース（情報源）から、ピョコン！　と飛び出したものは、あなたにとって最善の答えである、ということを覚えて読み進めてくださいね。