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朝日新聞記者の将棋の日々

2020.03.04 公開 ポスト

運命をわける「将棋界の一番長い日」――木村一基王位、A級順位戦から陥落村瀬信也(朝日新聞 将棋担当記者)

A級順位戦最終局で初手▲7六歩を指す木村一基王位。(村瀬信也撮影)

2月27日朝。大勝負に臨む木村一基王位の顔は、思いのほか穏やかだった。

「将棋界の一番長い日」と呼ばれるA級順位戦最終局。静岡の料亭「浮月楼」の2階和室で、木村と広瀬章人八段が駒を並べていた。木村は敗れると、B級1組への陥落が決まる。集中している様子はうかがえるものの、ピリピリした空気は感じられない。

1月の8回戦の時は、そうではなかった。相手は、共に残留を争う羽生善治九段。木村は口を真一文字に結んで眉を少しつり上げ、2手目の△8四歩を指した。気合がみなぎっていた。

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朝日新聞記者の将棋の日々

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村瀬信也 朝日新聞 将棋担当記者

1980年東京都生まれ。早稲田大学将棋部で腕を磨き、2000年の学生名人戦でベスト16に。2003年、朝日新聞社に入社。2008年に文化グループ員になり、2011年から将棋の専属担当に。大阪勤務を経て、2016年、東京本社文化くらし報道部員になり、将棋を担当。名人戦や順位戦、朝日杯将棋オープン戦を中心に取材。共著に『大志 藤井聡太のいる時代』(朝日新聞出版)がある。

Twitter:@murase_yodan

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