病気予防に効果的な野菜スープ。そのレシピから、ウイルス・ガンはもちろん、現代社会が抱える問題まで徹底解説した『ウイルスにもガンにも野菜スープの力』(前田浩著)から、一部を抜粋してお届けします。抗がん剤の世界的研究者による、健康になるための一冊です。
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鍋を雑炊でしめるのは、健康的かつ科学的
野菜スープの中には、野菜の持つ豊富で重要な抗酸化成分・ファイトケミカルのポリフェノールやフラボノイドがたっぷり入っています。加えて、ビタミンCや葉酸、ビタミンK、さらに多くのカロテノイドなども溶け出しています。
野菜のゆで汁や野菜をたくさん入れた鍋物の残りのスープこそ、栄養素の宝庫なのです。昔から味噌汁は具だけでなく汁も残さず飲み干せといわれ、鍋をした ら、最後の雑炊まで食べるのも理にかなっていたのです。
では、火を使わないヒト以外の動物はどうやって植物の栄養を取り入れてきたのでしょうか? 実はヒトとヒト以外の動物とでは、食物である植物の消化力に大きな差があるのです。
植物の細胞壁は、いくつかの繊維質成分からできています。ところが主要成分であるセルロースを消化分解する酵素(セルラーゼという)を、ヒトの消化液は持っていないのです。
一方、草食性の動物は、消化管の中にセルロースを分解する微生物を棲(す)まわせていて、身体の中の消化管で発酵させて分解し、栄養素を吸収できているのです。
人間だけが火を使い、調理して食べるようになったのも、大きな意味があったのかもしれません。
野菜入りカレーは理想的な発ガン予防食
カレー粉に含まれているターメリックは、ガン予防にとても有効な香辛料です。
ターメリックは秋ウコンの根を乾燥させ、粉末化したもので、沖縄ではウコン茶としても親しまれています。このウコンからとれるターメリックに関して、名古屋大学の大澤俊彦教授を中心に多面的な研究がされています。
ターメリックの主成分はポリフェノールの一種であるクルクミンで、カレー特有の黄色色素ですが、クルクミンを経口摂取すると、強い抗酸化力を発揮し、各種の発ガンを抑制する他、抗炎症作用もあります。
また、白内障の予防などにも効果があり、大変有効な成分だということが分かっています。最近では、ターメリックの抗ガン作用の論文も数多く出ています。
日本では家庭料理の定番になっているカレーライスですが、野菜を煮込んで作り、しかもターメリックが入っていますから、理想的な抗ガン作用を持つ食事の一つといって良いでしょう。
カレーを作る際、野菜はニンジン、ジャガイモ、タマネギだけでなく、ホウレ ンソウ、ツルムラサキ、からし菜、菜の花などの緑色野菜も入れると良いでしょう。 抗酸化作用の強いダイコンやニンジンの葉も、カレーに入れて利用すると食べやすいものになります。
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ウイルスにもガンにも 野菜スープの力
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