病気予防に効果的な野菜スープ。そのレシピから、ウイルス・ガンはもちろん、現代社会が抱える問題まで徹底解説した『ウイルスにもガンにも野菜スープの力』(前田浩著)から、一部を抜粋してお届けします。抗がん剤の世界的研究者による、健康になるための一冊です。
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日本人の食卓では、いつの間にかサラダが定番になっています。ダイエット目的で食事の前に生野菜を食べましょうなどといわれていますが、実は野菜は加熱して食べた方が、その成分を有効に吸収できることはご説明してきました。
しかし、加熱調理をするとなると面倒だと思われる方も多いことでしょう。そこでこの章では、特に免疫力アップ、ガン予防に優れた野菜をたくさん使った加熱料理を、フードライターの方達にご協力いただき、できるだけ簡単な方法で、しかも美味しく食べられる工夫をしてもらいました。
野菜スープは、毎日食していただきたいものなので、楽しんで飲めるように、野菜の色によって3種類のスープを作りました。
レシピの分量は、家庭用の鍋で作れる量としました。1回の調理で、6杯分ほどになります。週に1~2回作って、冷蔵庫で保存して毎日食べることができます。
ポタージュ状にすれば、冷凍保存もできますので、週に1度多めに作り、半分はポタージュにして冷凍するという方法もあります。手間が減るだけでなく、ポタージュにすると食感が変わり、飽きずに続けられます。常備スープの勧めです。
また、ホウレンソウ、コマツナはファイトケミカルの力・抗酸化作用が強い野菜ですが、クセが強いものが多いので苦手な人もいます。
ここでは組み合わせる食材で味をソフトにし、たくさん食べられるように工夫をしました。
ブロッコリーはアブラナ科の緑黄色野菜で、ビタミンB、ビタミンC、葉酸、 ビタミンK、ファイトケミカルのカロテンが豊富で、抗酸化作用を持っています。 ベータカロテンやリコペン、ルテインなどは脂溶性ビタミンなので油を使った料理がお勧めです。
また、茹でて使う場合は茹で汁に有効成分が抽出されますので、捨てずに、スープや味噌汁、ラーメンを作るときなどに利用すると良いでしょう。ニンジンは生で食べると、ほとんどの栄養素が得られません。必ず茹(ゆ)でるか油で炒めて食べましょう。特にニンジンに多く含まれるカロテンは脂溶性ビタミンなので、油を使った料理の方が吸収率がアップします。
また、葉付き、泥付きで無農薬のものを購入し、たわしでよく洗い、皮付きのまま調理することをお勧めします。
ニンジンの葉は特に抗酸化力が強く優秀な食材ですので、捨てずに緑色のスープに入れたり、炒め物にしたりして食べましょう。
大葉は薬味などで香りを楽しみますが、実は抗酸化作用の強い野菜です。庭の隅や鉢植えでも育てられますので、たくさん収穫して常備菜を作ってみましょう。
トマトは切るだけですぐに食べられるので、手軽な食材として食卓で重宝されています。しかも見た目がきれいなので、彩り野菜としてもよく使われていますが、この赤い色は、抗酸化作用の強いリコペンが含まれている証拠です。リコペンは生で食べるよりも、油とともに加熱調理した方が効率良く身体に吸収されます。
加熱調理は果物でも種類によっては有効です。リンゴのコンポートやイチゴジャム、マーマレードなどは煮て作るので、有効成分が身体に吸収されやすい形に なります。とはいえ、ジャムは砂糖が多いのが難点。コンポートの方が糖分が少 ないのでお勧めです。本書では蜂蜜を使いました。
ファイトケミカル豊富な野菜料理を、上手に毎日の食卓に取り入れて、ガンやウイルスから身体を守りましょう。
(スープのレシピは次回から紹介します)
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ウイルスにもガンにも 野菜スープの力
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