文筆家・ツレヅレハナコさんの最新刊『まいにち酒ごはん日記』が発売になりました。本書は、食と酒と旅を愛する著者が、インスタグラムに綴ってきた投稿の直近3年間分を厳選&大幅加筆修正したオールカラーの日記本です。前半は国内海外と旅に出て外ごはんを楽しむ一方、後半はコロナ禍で自炊生活に勤しむ日々が綴られています。日記本とはいえ情報量がとても多いので、ぜひメモを片手にお楽しみください。また、巻末には「読むだけで作れる31レシピ」も収録されています。本書の内容を、少しずつ抜粋してご紹介します。
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はじめまして家キッシュ
「そのとき家にあるものを使って、テキトーに作るのがフランスの家庭料理であるキッシュ」。そんな話を聞いて、ずっと気になっていたキッシュの作り方を教えてもらう。食べるばかりで作るのは初めてだったけれど、おいしく作るにはコツの宝庫なんだなあとしみじみ。それもまた家庭料理らしくて萌えるー。
小麦粉に冷たいバターを練り込んでいくさまは、なるほどコレがめちゃうまサクサクの秘訣かと頷いてしまうバターの量。「このくらい入れないと、おいしくありません」と、友人のゆっきー先生もキッパリ。いいよ、もちろん! バターは調味料だ!
今日は「菜の花とベーコンとドライトマトのキッシュ」。おお、上手に焼けました~。冷ましたものが定番だけれど、焼きたてもまたうまい。いいねえ、自家製キッシュ。またすぐ作りたくて、タルト型と重石を即ポチった。クミンとかカルダモンとか効かせたエキゾチックなキッシュも作ってみたいな。
どうしても脱線する和食
韓国旅行の打ち合わせを兼ねて宴会。売り場に並ぶ春野菜を見ていたら「和食でいこう!」と思ったはずが、作る間に毎度おなじみのクミンとかナンプラーとか使い始めてあっさり脱線。
春野菜と三陸わかめの出汁びたし、文旦と干し海老と蒸し鶏たっぷりのヤム、手土産のお豆腐に薬味とナッツをドサドサのせたピータン豆腐、たけのこ入りふわふわ山椒鶏つくね、ピカピカのイワシが80円だったので自家製ふきみそをはさんで天ぷらに。タラの芽もついでに揚げる。
先日の宴会で感動した春キャベツの酒蒸し煮はあさり、新玉ねぎ、ベーコン……と思ったら、話に夢中で焦がして上だけレスキュー。そら豆を蒸してじゃがいもとマッシュしてゴーダチーズを包む一口コロッケは、シンプルに作るはずが余っていた生クリームを入れたり、「そら豆にはクミンだろ!」とかやり始めたら、リッチなエキゾチック仕様になった……おいしいけど。
シメには、酒をたっぷり加えて炊く豆ごはん。むきたての豆は香りがいいな。
十人十色なポテトサラダ
ポテトサラダって、作る人によって全然違うのが面白い。私のポテサラのベースは、熱々のじゃがいもをつぶしたところで塩を決め、豆乳か牛乳を「ちょっとゆるいかな?」くらい入れてのばしてからマヨネーズとマスタードを混ぜます。だから、あっさり&ずっとしっとり。マヨネーズ100%だと、ちょっと私には強すぎるんだよね(でも、少しは入っていないとさびしい)。
今日の具はハム・新玉ねぎ・ゆで卵・もみきゅうり・茎だけ残っていたパクチーみじん切りどっさり。おつまみにも、お弁当にもぴったりー。混ぜる前のこの状態が一番美しいなといつも思う。
今日は久しぶりにお弁当作り。ポテトサラダのほか、おかずは、鶏のから揚げ、にんじんのラペ、卵焼き。私がずーっと好きなものだらけ。お弁当のいいところは、自分の好きなものだけ入れられるってこともあると思うのよね。
春はお弁当作りのスタートにふさわしい季節。私の本『ツレヅレハナコのじぶん弁当』(小学館)のテーマは、「人に見せるためではなく、自分がホッとできるお弁当」です。この本が、そんなお弁当作りのお手伝いをできたらうれしいなー!
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コトゴトブックスのサイトで、本書『まいにち酒ごはん日記』(サイン本)に、著者のツレヅレハナコさんが普段から愛用しているおそろい台所道具をセットにしてお届けする企画を実施中。パキスタン製琺瑯レンゲ3個セットまたは、市原平兵衛商店「京風もりつけ箸」一膳のどちらかをお選びいただけます。ハナコさんのレコメンドも参考に、おそろいの「まいにち」をお選びください。数に限りがございますのでお早めに!
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まいにち酒ごはん日記
2018年春から2021年夏まで、ちょうどコロナで世の中が変化した狭間の3年間の飲んで食べて旅して感じたこと、考えたことを集めたオールカラーの日記本。巻末には読むだけで作れる31レシピ付き。
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