文筆家・ツレヅレハナコさんの最新刊『まいにち酒ごはん日記』が発売になりました。本書は、食と酒と旅を愛する著者が、インスタグラムに綴ってきた投稿の直近3年間分を厳選&大幅加筆修正したオールカラーの日記本です。前半は国内海外と旅に出て外ごはんを楽しむ一方、後半はコロナ禍で自炊生活に勤しむ日々が綴られています。日記本とはいえ情報量がとても多いので、ぜひメモを片手にお楽しみください。また、巻末には「読むだけで作れる31レシピ」も収録されています。本書の内容を、少しずつ抜粋してご紹介します。
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お玉ですくう朝ウニごはん
な、なんちゅうもんを食わせてくれたんやぁ……と思わず脳内京極さん(by『美味しんぼ』)になった大槌町での朝ごはん。今朝3時半から海へ獲りにいってくれたウニ! 持つべきものは漁師のお知り合い……(泣)。
家族総出で殻むきしているところへ、食品保存容器に入れたホカホカごはん、魔法瓶に入れたつみれ汁(民宿のお母さんに作ってもらった)、空の茶碗とお椀を持って朝7時半におじゃまする。私もお手伝いさせてもらったけれど、ヘタな上に遅い……当たり前か。
むきたてのウニをお玉でごっそりごはんにのせてもらって、作業場の端で朝ごはん。天然のホヤもとれたからと、その場でむいてくれた。ぎゃー、新鮮なんてもんじゃないよー! ウニのワタも珍味としか言いようがなく、日本酒持ってくれば良かった……。
ウニは、薬味はもちろん、しょうゆも必要のない海水だけの海の味。なんてプライスレスな朝ごはん……。本当にごちそうさまでした。いつもありがとうございます~!
持ち寄りはまぜこぜ歓迎
これまた不思議なご縁のメンツでホムパ。私がフルで料理を作る余裕のないときは自由な持ち寄りでお願いしているのですが(作ったものでも買ったものでもOK!)、そのバラバラ加減も楽しいんだよねー。
ひねりが効いた夏のフランス野菜惣菜とか、「アンドシノワーズ」レシピのレモングラスのファルスとか、プラムソースの焼き豚とか、切りたてのふわふわ生ハムとか、なぜかスパゲティサラダとか。食いしん坊たちが持ってきてくれるものに間違いなし! ワインは7人で9本、安定のワインショップ「FUJ IMARU」さんにセレクトをお願いしました。
私は全然やってくる気配のない夏に業を煮やして&この湿気をぶっ飛ばすつもりでカオクルックカピ(いろんな薬味を混ぜて食べる発酵海老みそごはん。豚のナンプラー甘煮を具として添えようとしたら豚肉を買い忘れたので冷凍庫にあった鴨肉で!)などタイ料理を5品ほど。
問題は、威勢良く「タイ料理!」と言うわりには私のタイ料理がほぼほぼ辛くないことか。
ハシゴ上等!栃尾揚げ
来たぜ、新潟・栃尾! 三大好きなものは酒・卵・油揚げなので、熱々の揚げたて栃尾揚げの食べ歩きにずっと憧れていたのです。
栃尾揚げとは、長岡市の栃尾地区だけで作られている油揚げ。通常の油揚げの約3倍の大きさで、外はカリカリだけれど、厚揚げと違って中はふわふわなのがキモ。串をぶっ刺してひっくり返しながら揚げるので、油揚げに穴が開いているのが特徴です。
地区内には約16軒の専門店があるそうで、今回は4軒巡ってみました。意外と巡れないのが悔しい……。持ち帰り用の商品は買いまくったけど。
おお、確かにそれぞれ全然違う。カリカリ具合も、中のふわふわの密度も、大豆の味も、比べてみると面白いなあ。シンプルにかつおぶしだけのせる店もあれば、大根おろしや納豆などトッピングが豊富な店も。作っているところを見せてくれるところもあって、これはテンション上がる~!
ちなみに個人的ベストは、「揚げ正」さんでした。中身のむっちり加減が、めっちゃ好み。
まいにち酒ごはん日記
2018年春から2021年夏まで、ちょうどコロナで世の中が変化した狭間の3年間の飲んで食べて旅して感じたこと、考えたことを集めたオールカラーの日記本。巻末には読むだけで作れる31レシピ付き。
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