感じがいい、というのは仕事もプライベートもうまくいく最強の味方。それも自分の心に無理なくできれば、日々の楽しさが増えることも間違いありません。リモートが普段使いになっている今こそ、SNSとメールで“感じいい人”になるコツを覚えて、いい流れを作っていきましょう。ベストセラー多数のイメージコンサルタント吉原珠央さんの記事から、今月の「息苦しくない人間関係」特集、スタートです。
(本記事は2021年1月15日公開「SNSで「好き嫌い」を発言しない…そうすれば人間関係はもっとうまくいく」、2021年11月8日公開〈「また会いたい」と思わせる人の5つのメール作法〉を再編集したものです)
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SNSの作法 「◯◯さん大好き!」と気軽に書かない
SNS(ブログ、インスタグラム、フェイスブック、ツイッターなど)を通して、「〇〇さん(同じ職場や取引先の人、友人グループの誰か)、大好き!」というコメントとともに、頻繁に画像をアップしている人がいます。
人を好きになる気持ちは自由ですが、「好き」と書かれていない、投稿者の他の友達や同僚、取引先の人、お客様が見たらどのように感じるでしょう?
そういったことに無関心だったり、「勝手にどうぞ」と思う人ももちろんいますが、「失礼だ」と思ったり、嫉妬したり、傷つく人もいるかもしれません。
もちろん、SNSにおける発言に明確なルールはありませんが、「誰がどのように反応するか」ということを考えずに投稿していると、周囲への配慮が行き届かない、感情のままに突っ走ってしまう幼い印象を与えてしまいます。
また、あなたが誰かを「好き」「嫌い」と評価することは、はたからは、上から目線でモノをいっているようにも見えています。
もちろん、それも個性ですし、その人なりの相手への好意の表し方であり、魅力となることもあります。
けれども、「好き」を口にするということは、「私の好きなタイプはこういう人」という周囲への一方的なアピールになっているとともに、「それ以外の人たちは『普通』に分類される(=好きではない)」という意思表示にもなっているのです。
さらには、日頃から好きか嫌いかを口にする人は、精神的にアップダウンが激しく、情緒が不安定だという印象を与えてしまうこともあります。
つまり、「田中さんが好き」を連発する表現方法は、情報が拡散する現代においては、ビジネスでもプライベートでも損をすることだらけなのです。
「好き」という表現で人を評価するよりも、「仕事で結果を出すことを徹底されていて、尊敬できる先輩」「太陽のような笑顔で、いつも幸せ気分を与えてくれる渡辺さん」「大人として真似したい女性のお一人」「刺激的な存在」「内面の魅力的なオーラが外見にも出ている」「芸術的センスがずば抜けている」「気遣いの細やかさがずば抜けている」など、「なぜ好きか」を表現するほうが、あなたが物事を広く見ている人だという印象を与えられます。
メール作法1 最初も最後も「自分発信メール」にする
これは、相手の立場のほうが自分よりも上のときや、こちらが相手に何かをお願いしているときに徹底したい作法です。たとえば、こちらからお願いをして誰かと直接会ったあとのお礼メールの流れとしては、「自分→相手の返信→自分」ということです。
「自分→相手の返信」という流れで終わってしまって、相手のメールを最後にするのは、やや横柄で、手を抜いた印象を与えてしまいます。
メールの作法2 断られてもポジティブメールで締めくくる
できるビジネスマン、また異性からモテる人が徹底していることが多い作法です。
たとえば仕事の依頼を断られたり、プライベートな誘いを断られても、「今回は残念ですが、今後またどこかで御縁がありますことを願っております。このたびはどうもありがとうございました」「今回は残念だったけど、また機会があればぜひ!」などと言えると魅力的です。
断られた直後から、メールが途絶えてしまうような人は礼儀も余裕も感じられず、「もう二度と会うことはないかも」リストに入れられてしまうかもしれません。
メールの作法3 「Re:」を削除する
相手からいただいたメールに返信する際に、タイトルを改めて書き直すという作法です。
「Re:」を削除して、同じタイトルを使い、自分の名前を書き足すだけで丁寧さがアップします。
私が送るメールのタイトルの例ですが、たとえば田中さんからいただいたメールのタイトルが「28日のMTGの件・ABC商事の田中」だったとして、私が返信するとしたら「28日のMTGの件・DC&IC 吉原」に変えるということです。
もし、受信したままのタイトル「28日のMTGの件・ABC商事の田中」で返信してしまうと、相手に届くタイトルは「Re:28日のMTGの件・ABC商事の田中」となります。このように相手の名前を呼び捨てにした状態でメールを送っていることになり、とても失礼になってしまうのです。
たとえ、名前が入っていなくても、「Re」がついたタイトルをいつまでも使い回しすることはスマートではありません。
上司から部下への社内間連絡などについては、そのままでもいいのかもしれません。
ただ不思議と、「人とモノを選んでいる」方たちは、同じようにタイトルを書き直してくださる方ばかりなので、毎回、とても気分がよくなります。
さらに、メールの内容がすぐに理解できるようなタイトルがついていると、いっそうの知性を感じてしまいます。
ちなみに、私はタイトルと名前を「・」ではなく、「@」で区切って「@DC&IC 吉原」とすることにより、より見やすくなるよう工夫をしています。
メールの作法4 「お世話になっております」は考えてから使う
初めてコンタクトを取る相手には使えないフレーズです。
私は過去に何度か、一度もお会いしたことがない方から、
「いつもお世話になっております。今回は取材のお願いをしたく、メールさせていただきました」
などというメールを受け取ったことがありました。
定型文として当たり前のように使っている人も多いようですが、本当にお世話になった実績がないのに使ってしまっては、マニュアル人間、またはいい加減な人だという印象を与えてしまいます。
加えて、「渡辺と申します」などという自己紹介のフレーズは、お互いに初めてコンタクトを取るときだけ使いましょう。何度もコンタクトを取っているのに、毎回「渡辺と申します」と書いてしまうと、国語力がない印象を与えてしまいます。2回目以降は「渡辺です」で十分です。
メールの作法5 1週間以上のブランクをあけない
たとえば、「内容の詳細が決定してから、改めて連絡させていただきます」と書いたっきり、コンタクトを放置している人がいます。待っている人にとっては、待たせている人の3倍長く時間が流れていると考えましょう。
何の連絡もせずに1週間以上待たせた挙げ句に、「今回は残念ながら……」と切り出すよりも、結論が明確に言えなくても、1週間以内に一度は進捗状況のメールをしたほうが明らかに親切です。
そのようなコミュニケーションを普段から心がけておくと、結果にかかわらず、相手から信頼されて、その後のつき合いも継続していけるはずです。