タバコを吸わない、宝くじを買わない、食事はワリカンにせずおごる、引き出せない口座を持っている、いつもニコニコしている……。公認会計士の平林亮子さんによれば、これらはすべて「お金持ち」に共通する習慣だそう。そんな平林さんの著書『お金が貯まる5つの習慣』(2010年刊)には、私たちもマネできる「お金が貯まる習慣」が盛りだくさん。その中からいくつかご紹介しましょう。
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チリも積もればマンションが買える
多くのお金持ちに共通する習慣の中で、わかりやすいものをどうしても一つ挙げてほしい、と聞かれたら、私は、
「タバコを吸わないこと」
だと答えます。もちろん、吸う人もいますが圧倒的に少数派ですね。
なぜ喫煙者が少ないのかといえば、答えは単純明快です。それは、もったいないから。
「タバコなんかで、けちくさいなあ」
と思われるかもしれませんが、これがなかなか侮れません。
タバコの値段は、1箱400円程度でしょうか(編集部注:執筆当時の金額です)。20歳から吸い始めたとして80歳になるまで毎日1箱吸い続けたとしたら、閏年を考慮しなければ、
400円×365日×60年=876万円
になるのです!
これだけあれば、中古のマンションが買えるでしょう。場所や間取りや築年数によりますが。
また、60年で約900万円と考えれば、
1年あたり15万円=900万円÷60年
10年あたり150万円=900万円÷60年×10年
となりますから、10年ごとにリッチな海外旅行をするという選択肢もあります。
喫煙が「習慣」となったら、毎日1箱では済まなくなるかもしれませんから、金額はもっともっと多額になる可能性があります。
お金持ちが「ケチ」と言われる理由
また、一般的に、タバコの消費量が増えるにつれて、タバコを吸うことの満足感が下がるといわれています。そう、経済学の「限界効用逓減の法則」です。
最初に感じた、
「タバコがすごくおいしい! 頭がすっきりする!」
という感覚は、習慣になるにつれて薄れてくる可能性があるわけです。
これは、当初400円で得られた満足感が徐々に得られなくなるということですから、実質的にお金の価値が下がることを意味します。
そのうえ、一般的には健康にも悪いといわれているし、そうなったら将来の医療費がかかることになります。家の中でタバコを吸えば、壁や天井が汚れ、資産価値が下がったり、メンテナンスが必要になったりして、余計なコストがかかるのです。
さらに付け加えると、タバコ嫌いの人と付き合いにくくなりますから、出会いさえ減ってしまうかもしれません。
そう考えると、お金持ちの人から見れば、喫煙は健康を害し出費を増やし、人間関係をも壊しかねない悪しき習慣でしかないというわけです。
もちろん、
「それでもタバコが好きだからいい!」
というのならOK!
実際に吸っているかどうかは、本質的にはどうでもいいこと。ここで何よりも大切なのは、長期的な視点を持って計算していることとその結果を踏まえて判断していることなのです。
毎日の缶コーヒー、適度に楽しめる携帯電話の有料コンテンツ……。1回ごとの金額は些少でも、積み重ねれば多額になるものが、世の中にはたくさん存在しています。
同じ発想から、美容院に行くことをやめた女性を知っていますが、彼女はそのお金を夢だった宿の経営資金に充てたのだそうです。知る人ぞ知る人気の宿で、国際的に高い評価を受けているようですよ。
「お金持ちはケチだ」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。そのとおり、ケチなのです。だって、それを積み重ねていけば、どれだけ大きな金額になるかを知っているのですから。
お金が貯まる5つの習慣
タバコを吸わない、宝くじを買わない、食事はワリカンにせずおごる、引き出せない口座を持っている、いつもニコニコしている……。公認会計士の平林亮子さんによれば、これらはすべて「お金持ち」に共通する習慣だそう。そんな平林さんの著書『お金が貯まる5つの習慣』(2010年刊)には、私たちもマネできる「お金が貯まる習慣」が盛りだくさん。その中からいくつかご紹介しましょう。