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2023年上半期の星占い

2022.11.28 公開 ポスト

2023年上半期 てんびん座の運勢真木あかり

人気占い師、真木あかりさんの新刊『2023年上半期 12星座別あなたの運勢』(12月9日発売)より、総合運をご紹介します。
恋愛運と仕事運、月ごとの運勢は電子書籍版でご覧ください。

総合運

遠く遠く、見たことのない場所へ。

南アフリカで使われているズールー語に「ubuntu(ウブントゥ)」という言葉があります。「あなたの中に私は私の価値を見出し、私の中にあなたはあなたの価値を見出す」という意味で、ひいては人の優しさを表す言葉なのだそう。以上は『翻訳できない世界のことば』(エラ・フランシス・サンダース著、前田まゆみ訳 創元社)からの引用で、この本は世界中の言葉のなかから、パッと一言で翻訳しにくい「その国独自の言葉」を集めて紹介するものです。たとえば日本語からは「WABI-SABI」「TSUNDOKU」などが挙げられています。「侘び寂び」、そして……おなじみの「積ん読」ですね。わたしもプロの積ん読家として日々、実績を積みあげております(積ん読だけに)。……という話はどうでもいいのですが、言葉になるということは、その事象が注目されるということです。誰かと共有する価値が生まれているということです。ubuntuという言葉とその意味を知ったとき、私たちは「優しさとは、そういう意味でもあったのか」と心の辞書に1行、付け加えることになるでしょう。

 

ひとりでも歩いていける人が、素晴らしい相棒と出会うことによって、もっと広い世界に行けるようになる──てんびん座の2023年上半期は、そうした時期に当たっています。さきほど、1冊の本との出会いによって見える世界が少し、変わる話をいたしました。それと同じように、誰かと出会うことであなたの視野も心も、豊かに広がっていきます。

そうした流れはすでに2022年のうちから起こっているのですが、3月末くらいまで続くことになっています。この時期、あなたがどれほど広い世界をご覧になるのかと思うと、私までも胸がわくわくしてくるようです。

 

てんびん座の人々は、もともとそのまなざしの向こうに常に「他人」がいます。特に意図することはなくとも、接する相手に常に目を向け、細やかに気持ちを汲み取り、自分がどう応えるべきかを探っているのですね。2022年から2023年は、自分−他人という、ふたりの関係に終わりません。そこから、世界が広がっていくことまでがセットなのです。「いつもの自分」を大きく拡張していけるときでもありますから、今までとは違う何かを得たいという人は、前向きに行動範囲を広げてみてはいかがでしょうか。なかには、広がりすぎて収拾がつかないこともあるかもしれません。それでも、またとない機会です。

 

そのためにも、人間関係の拡大が重要な要素となります。出会う人を増やすこと、すでに出会っている人とも、改めてじっくりと時間をかけて向き合うことで、その人が持つ豊かな世界に驚かされることになるでしょう。そのために人と付き合うわけではないにしても、人と接点ができて広がっていくという運命の面白さに、きっと魅せられるだろうと思うのです。

現実を見ながら、自分の仕事観をアップデートする

3月はどの星座の人にとっても転機となるポイントですが、てんびん座の人にとっては「あらゆる角度から『働くこと』をアップデートする(最新の状態にする)」という運で現れるだろうと思います。あなたが学生であれば、「勉強すること」と思って読んでいただいて大丈夫です。その人の“本分”と言われるようなことをきちんと果たすことが、3月から5月中旬までのあなたのテーマとなる、と考えておいてください。ちょうど年度末から年度始めの切り替わりの時期。意識せざるを得ない人や、本分が切り替わる人も多いでしょう。そうした時期にこの運がオーバーラップしてくることで、普段以上に印象的な年度の切り替わりとなる方も多いのだろうと思います。

 

アップデートの具体例についても触れておきましょう。たとえば仕事なら、日々のルーティンワークや雑用に代表されるような「作業」としての仕事と、キャリアや自己実現を視野に入れた「天職」と感じるような仕事、その双方に向き合い、「自分はこういうスタンスでやっていく」という方針を固めることになるでしょう。といっても実感としては、「メチャクチャ忙しくなる」という状況がぴったりかと思うのですが(神秘性ゼロの表現で恐縮です)、それらにはちゃんと意味があるということです。

 

「作業」としての仕事は、これまで以上に責任が求められます。役割として割り当てられた仕事。やれと言われてやる仕事。それらの多くは日々、同じことの繰り返しで、新鮮味というものはあまり多くありません。かつて「お給料は我慢料」などと言われた時代がありましたが、その感覚に近い人も多いかもしれません。おそらくは仕事の心構えとしてキャッチーに切り取った表現なのでしょうが、今では“我慢代”と思って済むような仕事はIT化、効率化によって絶滅寸前なのではないでしょうか。年齢を重ねても働き続ける人が増え、そうなると「作業」としての仕事にも「我慢」というその場しのぎだけでない解釈も必要であるように感じます。……と話が横にそれてしまいましたが、ここでは「課せられた義務・役割をきちんと果たすことで、信頼を培っていく時期」と考えてみると良いだろうと思います。社会のなかで活躍できる自分とその環境を作っていくときです。試練と思えるような状況が訪れたときは、近道はないと思ったほうが逆にスッキリするでしょう。不器用でもまっすぐに向き合う、時間をかけて仕事そのものを咀嚼する。そうした姿勢を必ず、見てくれている人がいます。

 

一方「天職」としての仕事はどうでしょうか。こちらについては、「闘ってでも手に入れたいキャリアを見出し、挑戦するとき」となっています。キャリアアップをして社会的地位を手に入れることで、より自分らしい働き方を目指したくなるのです。野心、と言ってもいいかもしれません。現状維持にこだわらないので、部署異動や転職、独立など、大きなキャリアチェンジを検討する人もいるでしょう。

人によっては、怒りや衝動といった強いエネルギーが胸いっぱいにみなぎることもあるでしょう。これを「やんのかコラ表へ出ろ」的な展開にほとばしらせてしまうのはお控えいただきたいのですが、自分の「次の物語」を始めることに活用できたなら、こんなに頼もしいことはないだろうと思います。カッときたときほど、「じゃあ、自分はどういう仕事なら満足なのか?」と考える。「何なら、自分や大切な人を守れるのか?」と想像する。それが、自分らしい序章につながっていきます。

ただ、先程述べた「作業」としての仕事の土台が固まりきらないうちに、軽々しく転身を目指すのもまた考えものです。ハラスメントなど明らかな問題でもなければ、土台構築としての現状維持を選択するというのもまた、賢明な判断となるはずです。

 

これらの流れが強調されるのは3月から5月中旬にかけてですが、「作業」としての仕事に関する流れは2026年2月頃まで続いていき、この時期は長い期間の「はじまり」です。時間をかけてやっていくということもひとつのテーマなので、一歩一歩やっていきましょう。急ぐ必要はまったくありません。そうやって築いた継続力と信頼こそが、今後の役に立ちます。

幸福になることに、執念を燃やそう

5月中旬、気持ち的にちょっと“内向き”になる時期が訪れます。これは2024年5月末くらいまで続く流れなのですが、特定のものや人に強いこだわりを示すようになるのです。

たとえば、恋であれば「この人しか目に入らない」と思えるほどに一途な愛を注ぐことになるでしょうし、仕事であれば「師匠」「メンター」と呼べるような人を見つけ、その人の思想と自分の心をぴったりと重ね合わせるようなことを目指します。大きな役割や資産を受け継ぎ、それを活かしていくすべを考えることもあるでしょう。いずれのアクションも、ただ人とかかわるのみならず、自分の内側と深く向き合い、対話する時間でもあります。その過程で、自分のなかに深く暗い闇や、社会的に好ましくないとされているような感情を見つけてしまうこともあるのでしょう。でも、キレイゴトばかりではない本心もまたあなたの一部であり、あなたを活かすエネルギーのひとつです。自覚してこそ深まる絆もありますし、そうしたものを増やす原因となる人とは接点を持たずにおくなど、健康的な未来に役立てることもできるでしょう。大事なのは、自分の一部と思って大切にして、活かすことです。

 

占いやスピリチュアルな探求に心惹かれるときでもあります。心の扱いに迷ったときは、こうした分野の門を叩いてみることも良いヒントになるでしょう。ただ、良くも悪くも「もらってしまいやすいとき」ではあるので、影響を受けすぎないように注意は必要です。特に落ち込んでいるとき、疲れてぐったりしているとき、深く傷つけられたときなどは、偏りのある強い主張からは少し距離を置くほうが良いだろうと思います。普段ならあまりに偏った意見であると判断できるところを、「まさに、自分が言いたかったことだ!」と簡単に信じ込んでしまうようなことがあるからです。誰にも自分の心を持っていかれないよう、注意したいですね。

 

こうしたことは心の内側で行われるため、人によっては周囲から「付き合いが悪くなった」「引きこもりがちになった」などと思われることもあるかもしれません。ただ、自分のための時間を持つのはとても良いことです。たくさんの人がさまざまな営みをする社会のなかで、個としてどう生きるのか。どう、人とつながっていくのか。てんびん座の人はもとより、まず「他」を見る人です。この時期は敢えて相手ありきの発想ではなく、まずは自分という「個」をメインに据えてみると、普段は見えなかったものが見えてくるのだろうと思います。こだわるのは、幸せになりたいからです。幸せがどうでもいいこととは思えないから、こだわるんです。この時期、ぜひ幸せになるために、執念を燃やしていってください。

 

<参考文献>
『翻訳できない世界のことば』エラ・フランシス・サンダース著、前田まゆみ訳(創元社)

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