人気占い師、真木あかりさんの新刊『2023年上半期 12星座別あなたの運勢』(12月9日発売)より、総合運をご紹介します。
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総合運
どれだけ頑張っていたかは、後になって気付くもの
「世界は広く、善きものであふれているが、自分に与えられた土地を耕さないかぎり、身を養ってくれる一粒のトウモロコシでさえ、自分のものにはならない」──これはアメリカの思想家にして詩人であるエマソンの言葉ですが、2023年上半期のうお座はトウモロコシをどんどん収穫し、さらに良い土作りを研究しつつ次に植えたい作物を探し始める時期に当たっています。
ちょっと時計の針を巻き戻してみると、土地を耕して種をまいたのが2022年前半、そして秋。この時期に、あなたは目が回るような忙しさのなか、これまでにないくらいハードに畑を耕していらっしゃっただろうと思います。その手応えはすでに2022年後半から面積の拡大、いい感じの土といった部分から感じておられたはずですが、2023年に入ると手応えはさらに拡大していきます。最初に収穫したトウモロコシのノウハウを活かし、さらに上を目指すのです。甘みの強い品種を作ってみたり、収量を上げる方法に夢中になったり、珍しい品種にチャレンジしてみたりするのかもしれません。つまり、身に付けた実力にこだわり抜いて、自分の得意分野を増やしていくわけです。売り物が増えるので、収入も増えます。これが、2023年5月中旬までの時期です。
5月中旬から2024年5月下旬は、雰囲気ががらりと変わります。トウモロコシだけでなく、別のものも植えてみたくなるのです。ここに至るまで、あなたはトウモロコシ栽培の面白さを充分に堪能し、身に付け、収入を得て生活を安定させてきました。そして5月中旬、さらに別のものを取り入れたくてワクワクしてくるのです。この時期のあなたの好奇心のアンテナは特別に冴えていて、日常のあらゆる場所で自分にぴったりのヒントを見つけるでしょう。「もっと面白い野菜はないだろうか」「もっと珍しいものも育ててみたいぞ」と、まだ見ぬ世界に手を伸ばし続けます。
「間違えてトウモロコシの本を買ってしまったのだろうか」と不安になった方は恐縮です。そろそろ占いに世界を戻しますので、ご安心ください。2023年のあなたは、前年に力を入れてきたことの成果を、さまざまなかたちで受け取っていくことになっています。
正直なところ、2022年はとにかく忙しいばかりで、「今を生きるだけで精一杯」とでも言いたくなるような状況だった方は多いでしょう。これは「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星がうお座に巡ってきていたからです。木星が巡ると、普段と同じように頑張っていても、それによって呼び寄せられるチャンスが「拡大」し、「幸運」につながっていきます。幸運というのは良いイメージもあるのですが、要は「良い方向への変化」なので、とにかく忙しいのです。「幸運だったなんて全然思えない。むしろつまらなかった」と思ってしまった方は、さぞかし全力で駆け抜けていらっしゃったのでしょう。頑張りましたね。
でも、2023年に入るとすぐに「昨年は、確かに幸運だったのだ」と思う瞬間が、一度や二度と言わず何度も訪れることでしょう。たとえば、以前よりもずっと楽に仕事をこなせるようになったこと。ちんぷんかんぷんだった専門用語が、わかるようになったこと──それらはただの「慣れ」のようでいて、まぎれもなく能力です。そして、すべてはあなたが頑張ってこられた証拠でもあります。5月中旬まで、そうした成果を存分に味わっていくことができるでしょう。
ここでは収入が増える方も多いだろうと思います。能力が上がることで、より多くの勝ちを生むことができるからです。貯蓄や投資、節約などマネープランを立てて、実行することで金運がさらに「拡大」します。
5月中旬以降、ここまでに得たものを活かすかたちで、あなたの興味関心のある分野が大きく広がっていきます。「次はこんな挑戦をしてみたい」「これまでにないサービスを作りたい」などと、夢を描き始めることになるでしょう。もしもやりたいことや人生の意義に自信が持てなくなったときは、2022年から2023年5月中旬までの自分がどんなことを考えていたか、思い出してみるとヒントが見つかりやすいでしょう。
実は、ここから1年ほどの日々のなかであなたが選び取るものというのは、まったく新しいものばかりではありません。かつて興味を示したものだったり、探し回ったけれど見つからなかったものだったりするはずです。好奇心が高まる時期だけに、どんどん出かけて人脈を広げ、学びも多い時期であると読めます。自分に制限をかけることなく、自由に翼を広げてみるといいだろうと思います。
やりそびれた「必修科目」に取り組むとき
ここまで書いた流れとは別に、3月はあなたを取り巻く状況が大きく変わります。7日に「制限と試練の星」と呼ばれる土星があなたの星座に巡り、2026年2月まで続く長い旅を始めることになっているのです。土星は、とりあえず否定から入る星です。普段なら「頑張ったなあ!」と思えるようなタイミングでも、土星が巡ると「上には上がいる」「まだまだ頑張れたはずだ」と感じたりするのです。自分は自分の一番の味方であるはずなのに、その味方から全否定されるようなもので、いかにストレスフルな状態なのかはあなたも察しがつくでしょう。土星は苦手、という方も少なくありません。そして「嫌だなあ。憂鬱だなあ」と思いながら土星を迎えることで、日常で嫌なことがあるたびに「これって土星の影響?」と結びつけたりします。そんなことをしたら、余計に嫌なことばかりを呼び寄せるとわかってはいても。
土星が巡ることで、うお座の人々は無意識のうちに、自分を過小評価しがちになるでしょう。実力も、容姿も、アイデンティティにも、なんとなく自信が持てないのです。それはさまざまな運と連鎖反応を起こします。自分の意見に自信が持てないのでコミュニケーションは消極的になりがちですし、アイデンティティが揺らぎがちなのは仕事でも恋愛でも、自分の人生の舵を人に明け渡すことに繋がりかねません。
ただ、土星がもたらす試練を乗り越えたとき、決して揺るがない自信と、人生の荒波を自分で乗り越えていく強さを得ます。悪いことばかりでは、ないのですね。
私は思うのですが、土星は物事を現実化する星です。大人にとっては、「人生のある時期に履修しそびれた必修科目のようなもの」と言えるのではないでしょうか。若い人にとっては、「最低限身に付けておくべき義務教育」。嫌でも向き合って身に付けておくことで、今後を生きやすくするものです。実は誰もがそれぞれに、土星が示唆するテーマと常に向き合っています。
2023年3月上旬から2026年2月まで、うお座の人は「自分自身」「自己主張」「行動力」に現実化の動きが起こるでしょう。今まで人に合わせてばかりであまり自己主張をしてこなかった人は、何かと意見を求められることになるかもしれません。「わからない」「どっちでもいい」などといった回答では、土星はもっと上の厳しさで再度挑んできます。そう、土星のもたらすことについては、逃げ道はないと思っていたほうがいいでしょう。そう考えると憂鬱でしかないと思うのですが、必修科目や義務教育をやっていないと、それ以上のことを学ぶときに余計に苦労しますよね。
幸いにして、土星が与えるテーマというのは「時間をかけて取り組むこと」です。急いで結果を出す必要は、まったくありません。向き合って、咀嚼して、無理のない範囲からやってみて……と、自分のペースでボチボチとやっていけます。ときどきお休みしつつ、向き合ってみるのはいかがでしょうか。2026年、レベルアップした自分に出会えるのを楽しみに。
ある日突然、厳しい状況になると心も揺れるもの。でも、占いで「こういう時期で、対処法はこうで、メリットはこれ」とわかっていたら、多少は受け止めやすくなりますね。そうした部分は、占いの健康的な使い方のひとつであろうと思います。
闘う「目的」を、よく覚えておくこと
3月いっぱいまでは、お引越しや転職など、思い切った環境の変化を経験する人が多いかもしれません。転職の場合、「早く即戦力にならなければ」「成果を手にしなければ」と好戦的になりやすいかもしれません。ただ、そのために「敵を倒す」的な発想になってしまうと、仕事はいささか単純でサスティナブルではないものになりやすいでしょう。ビジネスは、継続していくもの。熾烈な闘いになることもあるとはいえ、じっくりと力を養い、実力で勝つことを目指したほうが、今後のためになりやすいかもしれません。
家族や同僚といった「身内」と呼べるような間柄の人と、ホンネでぶつかり合うような暗示も出ています。あなたはもともと、そんなに感情的にぶつかり合うような方ではないはずです。それでも「前から言おうと思ってたんだけどさあ!!!!!」的なかたちで、長年溜め込んだものをいっさいがっさい、出す人は多いでしょう。
身内だからこそ、言いたくても黙っておくことはあります。「今は大変なときだから、言わずにおこう」と我慢したり、相手の成長を見守ろうと思ったり。ただ、相手はこちらが思うように改心するわけでもありませんし、あなたの優しさに甘えっぱなしになることもありますね。心の底に閉じ込めてきたものを、ここで一気に解消してしまえるときと思って大丈夫です。大事なのは「わだかまりを解消し、これからいい関係を維持するために闘う」ことです。「相手に自分の我慢を思い知らせるために闘う」「相手に謝らせるために闘う」となってしまうと、感情ばかりが先に立って問題解決が遠のくかもしれません。あなたは賢明かつ寛容な人ですから大丈夫かとは思いますが、その点はどうぞ、ご注意を。
<参考文献>
『自己信頼[新訳]』ラルフ・ウォルドー・エマソン著 伊東奈美子訳 海と月社
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※完全版(12星座分)のみの特典となります。星座別の分冊版からはご覧いただけません。恐れ入りますが、ご了承ください。