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「丁寧」なのに仕事が速い人の習慣

2024.06.11 公開 ポスト

カップヌードルに学ぶ「ユーザー目線」 日本が誇るマーケット・イン型のものづくり池田輝男(池田ピアノ運送株式会社代表取締役)

「日本一、丁寧な仕事をする会社」をモットーに運送業界トップクラスの売り上げを誇る、池田ピアノ運送。常識を覆す施策を次々に取り入れ業界のイメージを一新してきた同社社長・池田輝男氏が、どんな業界でも通用するビジネスの絶対法則を紹介する書籍『「丁寧」なのに仕事が速い人の習慣』より、一部を抜粋してお届けします。

「丁寧とは何か?」は答えづらいが「丁寧かどうか」は感覚でわかる

「丁寧な仕事」とは、一体どのようなものを指すのか?

私はこれを、「相手を思いやる心がベースにある仕事」だと定義しています。

おそらく「丁寧とは何か?」と人に尋ねれば、返ってくる言葉はいろいろでしょう。

実際、私自身もさまざまな人に尋ねましたが、誰の答えも抽象的で、明確な回答などほとんどありませんでした

けれども、実際に行われた仕事が「丁寧かどうか」と聞けば、満場一致で「丁寧な仕事」は認知されます。

つまり、感覚のなかで「丁寧さ」というものは確かに存在し、知覚され、認知される行為になっているのです。だから当然、これをハウツーとして体系化し、マニュアルに落とし込むこともできます。

丁寧な仕事は「マーケット・イン思想」に基づいている

日本の「ものづくり」は、そもそもこの「相手を思いやる心」に長けていたことで発展していった経緯があります。

たとえば日清食品の「カップヌードル」といえば、3分でつくれる手軽さと、世界中のあらゆる文化圏に向けた味の豊富さで、全世界に広がった食品と考えられがちです。

カップラーメンのイメージ写真

もちろん、それも「相手を思いやる心」なのですが、たとえばそのフタを見れば、かつてであれば包装ビニールの底についたフィルム状のテープで開け口を押さえるようになっていたり、現在であれば、フタを留める箇所が2つになっていたりと、味と直接の関係がない細かな部分にすら、「より使いやすい方法」を意識して改良を繰り返していることがわかります。

 

作り手が先につくりたいものをつくり、これをどう販売していくかを考える手順を「プロダクト・アウト」と言いますが、米国Apple 社の製品のように、こうしたイノベーションを引き起こすような新商品を生み出すことを日本企業は苦手としています。

しかし「プロダクト・アウト」の対極に位置する、「ユーザー側の視点に立ったものづくり=マーケット・イン」においては、今でも世界に誇れるだけの技術を持っていると私は考えているのです。

「マーケット・イン」は「プロダクト・アウト」の反対で、ユーザーのニーズや解決したい問題をくみ取って製品開発(商品・サービス開発)を行うことをいいます。

とくに現代では、マーケット・インに基づき、お客さまの満足度を高めることを重視する風潮が強まっています。それは私が属する運送業のように、そもそもサービスの質が求められてこなかった業界でも同様のことなのです。

お客さまが100人いれば、100通りの問題がある

私の会社は、「他の企業がマーケット・インの発想を導入していないこと」をチャンスととらえられたために、業界内における大きな差別化を実現して、業界売上トップクラスにまで飛躍することができました。

どんな商売にとっても、ゴールデンルールとなるのは、「お客さまの問題・課題を解決する」ということです。つまり、お客さまの問題を解決しさえすれば、「商売=ビジネス」が成り立つのですが、難しいのは、お客さまが100人いれば、100通りの問題があるということです。

スクランブル交差点を横断するたくさんの人の写真

お客さまの数だけ、お客さまが抱えている問題の種類がある以上、どんな形でもマーケット・インの発想でチャンスをつかむことは可能です。必要なのは自分の業界で「常識」とされることを、「非常識ではないか」と疑えるような逆転の発想でしょう。

*   *   *

この続きは書籍『「丁寧」なのに仕事が速い人の習慣』でお楽しみください。

関連書籍

池田輝男『「丁寧」なのに仕事が速い人の習慣 感謝され、利益も2倍になるビジネスの絶対法則』

利益2倍! 特殊輸送業界No.1に成長させたピアノ運送業者が教える、ビジネスの絶対法則とは? 仕事のミスが多い新人から、働き方をアップデートしたいベテランまで必読! すべてのビジネスパーソンに役立つ「丁寧仕事術」を大公開。

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「丁寧」なのに仕事が速い人の習慣

運送業界トップクラスの売り上げを誇る、池田ピアノ運送。「日本一、丁寧な仕事をする会社」をモットーに、常識を覆す施策を次々に取り入れ、業界のイメージを一新したことでその地位を築きました。同社社長・池田輝男氏の最新刊『「丁寧」なのに仕事が速い人の習慣』では、具体的にどのような改革を行ってきたのかを大公開。どんな業界でも必ず通用する、ビジネスの絶対法則は必読です。

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池田輝男 池田ピアノ運送株式会社代表取締役

1970年、千葉県野田市生まれ。専修大学商学部商業学科ならびに中小企業大学校経営者コース卒業。私立大学事務職員を経て、42歳で池田ピアノ運送株式会社の代表取締役に就任。グループ5社220名のスタッフと12営業所を束ね、ピアノ・大型家電・フィットネス器具や、OA機器・通信設備機器・音響製品・印刷機器など大型精密機器の全国配送・設置工事のほか、大型モニターを使用したオンライン環境提供サービス、企業研修コンサルティング等を手がける。「丁寧さと迅速さ」を信条に、同社をピアノ運送業において業界売上トップクラスの企業に成長させた。人生のミッションは「日本一、お客さまからありがとうを集めること」。

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