「使う場面だけ想定して英語表現を覚える(第3回)」のは最速で学べても、応用が効かないのでは?などと躊躇するのはもったいない。実は応用範囲が広いのがビジネス英語。大量の英文を“数打てば当たる”方式で覚えるよりも断然、効率がいいのです。話題書『出世する人の英語 アメリカ人の論理と思考習慣』(小林真美著)から、実践で役立つ学び直しのコツを引き続きお届けします。
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「場面を設定して必要な英語表現を考え、それを身につける」という学習方法をご紹介すると、「そんな悠長な方法でいいのか」「もっと大量の英文を丸暗記したほうがよいのでは?」などと言われることがあります。
この点については、言えることが2つあります。
1つは、「もしかしたら使うこともあるかもしれない」フレーズを「数を打てば当たる」方式で身につけるより、「確実に使う」フレーズを身につけるほうが、実際にビジネスシーンで役立てられる、ということ。「とにかく量を覚える」という方法を完全に否定するわけではありませんが、ビジネス英語を最短で身につけるには、非効率的なやり方だと思います。
もう1つは、ビジネス英語は「応用範囲」が広いということです。仕事というのは、思っている以上に「似たような表現を求められる場面」が多いもの。身につけた英語は、想定した場面以外でも使えることがよくあります。
たとえば、自己紹介の場面を想定して、
・I am an expert on small business consulting.
(私は中小企業のコンサルティングの専門家です)
という表現を身につけたとしましょう。この表現は、転職の面接、あるいは営業などの場面での自己アピールでも使えます。たとえば、
・I am an expert on small business consulting like your business. I can help you how to expand the sales in the most cost-effective way.
(私は御社のような中小企業のコンサルティングの専門家です。最も費用対効果の高い方法で販売を拡大するお手伝いをします)
といったような応用が可能です。
同様に、次の自己紹介のフレーズも、自己アピールの場面でそのまま転用可能です。
・I manage an advertising agency, specializing in retail business.
(小売業を専門とする広告代理店を経営しています)・I manage an advertising agency, specializing in retail business. We can provide the most advanced marketing technique to help your expansion.
(小売業を専門とする広告代理店を経営しています。私たちはあなたのビジネスの拡大に役立つ最先端のマーケティング手法を提供することができます)
また、「会議で使えるフレーズ」も、上司との会話や社外の人との交渉に転用できるものがたくさんあります。例として、いくつかご紹介しましょう。
・I would like to get your opinion about this.
(この件について、あなたのご意見をお願いします)・Perhaps you could tell us what you think about that?
(それについてどのように考えているか、教えていただけますか?)・That's a good point.
(それはよいポイントです)・That's exactly the way I feel.
(私もまさに同感です)・From my perspective, it's a little different. Let me explain.
(私の見方は少し異なります。説明させてください)・I'm afraid I don't understand what you are getting at.
(すみません、何をおっしゃりたいのかわかりません)
いかがでしょう。どのフレーズも、ビジネスのいろいろな場面で「使える」ことに気づきませんか?
出世する人の英語
「アメリカ人」のものの考え方や思考の癖がわかれば、英語はすぐに上達する!22年間、外資系企業で働いてきた著者が気づいた「出世する日本人の英語」と「出世できない日本人の英語」の違いとは。役立つ英語力が丸ごと身につくコツが満載。