ChatGPTの助けで、エクセルもどんどん使いやすくなる――AI時代にアイデアを生み出す最強の手法を解説する幻冬舎新書『「超」創造法 生成系AIで知的活動はどう変わる?』より、内容を抜粋してお届けします。
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ChatGPTに自然言語で質問すると、プログラムコードを出力してくれます。プログラムの知識がまったくなくても、使えます。魔法のようです。これをうまく使うと、エクセルの操作をかなり自動化することが可能になります。
私の場合の例を述べましょう。私は、経済分析で時系列データを頻繁に利用します。その際、ある期間の平均成長率を計算したい場合があります。対前年比なら簡単ですが、いくつかの期間ごとに平均成長率を計算するのは、簡単ではありません。これまでは表の外に複利計算式を書いて、いちいち計算していたのですが、面倒と感じていました。
これを簡略化できないかと思い、つぎのようにChatGPTに聞いてみました。
〈B欄の数字は年次で、C欄の数字は各年のGDPです。D欄に、最初の年から当該年までの年平均成長率を示したいと思います。どのように指示すればよいですか?〉
それに対するChatGPTの答えは、「つぎの式をD2に貼り付けよ。そして、それを適用したい範囲にドラッグせよ」というものです。
=G6((C最終値/Cの初期値)^(1/(最終年-初期年))-1)
確かに、これで簡単に解決。これまでも、これと同じことをやっていたのですが、この方式のほうが簡単です。先のコードを保存しておき、使うときにコピーして貼り付ければ、あっという間に作業が完了します。
もう一つ私が悩まされ続けたのが、産業分類変更の問題です。法人企業統計調査は、長期間にわたるデータをデータベース形式で利用できるため、非常に便利なのですが、途中の時点から産業分類が細分化され、その結果、データが不連続になるという問題がありました。
そこで、ChatGPTにつぎのように聞いてみました。
〈つぎの計算をエクセルで行なう場合、どのように指示したらよいでしょうか?
ここに示す表において、A、B、C欄の数字の合計をD欄に書いてください。ただし、B、C欄が空欄である場合には、そこに0という数字があるとして計算してください〉
これに対して、つぎの回答が得られました。
=SUM(A2,IF(ISBLANK(B2),0,B2),IF(ISBLANK(C2),0,C2))
D2に右の式を入力し、それをドラッグすることで、D欄全体に対して同じ計算を適用することができます。
これで簡単に解決できました。魔法のようです。
もっとも、エクセルでは、合計、平均の計算やデータの並べ替えを始めとして、デフォルトで利用できる関数がたくさんあります。これらを利用すると、かなりのことができます。例えば、和暦と西暦の換算などもできます。ですから、以上のことで飛躍的な能率改善ができるというわけでもないのですが、場合によってはかなり有効です。
時間の余裕ができたら、ChatGPTに教えてもらいながら、自分のホームページを更新したいと思っています。
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この続きは幻冬舎新書『「超」創造法 生成AIで知的活動はどう変わる?』でお楽しみください。