精度が向上したスマホの「音声入力」がアイデアの出し方を変える――AI時代にアイデアを生み出す最強の手法を解説する幻冬舎新書『「超」創造法 生成系AIで知的活動はどう変わる?』より、内容を抜粋してお届けします。
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歩きながらアイディアを生み出す
私は以前、アイディアを紙のメモに書き留めていました。しかし、スマートフォンの音声入力に切り替えたことで、メモを取る効率が驚くほど向上しました。とくに重要なのは、アイディアが逃げる前に、素早くメモできるようになったことです。
これによって、紙のメモの必要性が著しく低下しました。かつては外出時にメモ用紙やペンを持参し忘れると、困ることがよくありましたが、いまはスマートフォンさえ持っていれば、心配することはありません。
そのため、私の生活スタイルには大きな変化が生じました。メモ用紙の使用は激減しました(ただし、紙はさまざまな場面で、依然として非常に便利です)。
歩きながらアイディアを生み出すことができるのは、スマートフォンの音声入力のおかげです。アイディアが浮かんだ瞬間に素早くメモを残せるので、失われることなくアイディアを収集することができます。創造プロセスにおいて、歩きながらアイディアを生み出すことは、非常に重要な要素となりました。
文章作成は、スマートフォンに話すことから
私の文章作成は、スマートフォンに向かって話すことから始まります。歩きながらでも、ベッドに横たわっていても、入力が可能です。この方法によって、迅速かつ容易に考えをテキストの形にすることができます。
通常、話すスピードはタイピングするスピードよりも速いため、音声入力を使うことによって、文章を書く時間を大幅に短縮できます。例えば、散歩の30分の間に、2000字程度の文章を書くことができます(頭の中にそれだけの内容がある場合です)。
アナウンサーの話すスピードは、1分間に約300字と言われています。先日、私は70分の講演を行ない、それを主催者が文字起こししてくれたのですが、2万1000字になりました。つまり、私もアナウンサーと、ほぼ同じ速さで話していることになります。
音声入力のスピードは、これとの比較では遅く感じられます。考えながら話すため、出来上がった原稿を読むよりも時間がかかるのは当然のことです。
音声入力の際、重要なポイントや強調したい部分は、明確にします。また、キーワードの誤変換に注意します。
私のスマートフォンの使いみちは、電話をかけたり地図を閲覧することではありません。ユーチューブで音楽を聴くことでもありません。私にとってスマートフォンは、音声入力のための装置と言っても過言ではありません。実際、私がスマートフォンを利用する時間のほとんどは、音声入力に費やされています。
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この続きは幻冬舎新書『「超」創造法 生成AIで知的活動はどう変わる?』でお楽しみください。