妊娠・出産、セックス、美容・健康。女性が日々を心地よく過ごすためには、性器についての知識とケアは欠かせません。しかし、いくら親しい間柄でも、人に相談するのはためらってしまう……。そんなあなたに手にとってもらいたいのが、森田敦子さんの『感じるところ』。女性器の役割から、心との関係、毎日のケア、婦人科とのつき合い方まで、知りたかったことがぎゅっと凝縮されています。その中身を一部、ご紹介しましょう。
ソープはどう選べばいい?
それではまず、デリケートゾーンの洗浄でポイントとなるソープの選び方を紹介します。
腟まわりは粘膜ですから、普通のボディソープでは刺激が強すぎます。専用のソープを選んで優しく洗ってください。
また、刺激を与えてはいけないからといって、お湯だけで洗うのもよくありません。なぜなら、腟まわりの汚れはちょっと特殊だから。通気性の悪い部分であり、汗や分泌物、排泄物などが陰毛と絡み合っています。これらはお湯だけでは落ちませんので、専用ソープが必要なのです。
これらの汚れによって、多くの人が悩むかゆみ、ムレ、ニオイが発生してしまいます。清潔に保つことで、悩みから解放されますよ。
清潔にケアをしていないと、免疫力が下がっているときには、汚れやムレなどによって雑菌や真菌(カビ)が繁殖してしまうこともあります。
ソープは、刺激が弱く優しいものにしましょう。
目や鼻に石鹸が入ったらどうでしょうか? 染みてしまってとても痛いですよね。デリケートゾーンも目や鼻と同じ粘膜でできていますから、ボディソープでは刺激が強すぎるのです。今までボディソープで洗っていて「痛いな」と感じたことがある人もいると思います。
粘膜には外部からの刺激に強い角質がなく、とてもデリケート。そんな繊細な場所にボディソープや石鹸を使うのは、やめてください。
それに洗浄力の高いソープは刺激が強すぎて、乾燥に繋がってしまいます。
こういった理由から、デリケートゾーンに使うソープはpHを調整した優しいものを選ぶようにおすすめしています。
また成分にも気をつけてみてください。化学成分たっぷりのものよりも、植物由来で自然に近い成分のもののほうが、自分の本来の治癒力に合わせて使えると思います。
オーガニック成分でも、泡立ちもしっかりあり、潤いもフォローしてくれるものがありますので、自分の肌に合うソープを探してみてくださいね。
洗うときは手で優しく!
デリケートゾーンを洗うときは、絶対に手で洗ってください。ボディタオルなどは必要ありません。
デリケートゾーンは、尿道口、大陰唇や小陰唇、クリトリスや腟口、肛門が入り組みとても複雑。自分の手で探るのが、一番丁寧に優しく洗えるのです。
まずは専用の洗浄剤をよく泡立て、デリケートゾーン全体に行き渡るように、泡を乗せてください。ポイントはたっぷり泡を乗せておくこと。泡が少ないと摩擦が起きて、肌を傷つける原因になります。
ではさっそく洗い始めましょう。第2章の『フランスでは聖域です!』の外性器のイラストとも合わせて、確認してみてください。
まずは大陰唇と小陰唇から。ヒダがたくさんありますから、大陰唇や小陰唇を指でつまむようにして洗ってください。
大陰唇と小陰唇の溝にも指を這わせて洗います。それぞれのヒダの裏には、白くポロポロとしたカスのような恥垢が溜まりやすいので、注意して落としましょう。恥垢と呼ばれる腟まわりにつく垢は、ニオイや雑菌繁殖の原因となります。真菌症やクラミジアなどの病気のきっかけにもなるので、毎日丁寧に洗い流すようにしましょう。
クリトリスも恥垢が溜まりやすい場所のひとつ。ここは皮を被っている人もいると思います。皮を押し上げてむき、皮の内側に溜まった恥垢を洗うようにしてください。
続いて肛門まわりを。ここは雑菌が多いので他の部分に汚れが移らないように、最後に洗いましょう。
肛門まわりはシワが多く、そして意外と毛も多い場所。便がこびりつきやすく、拭き取りのときのトイレットペーパーのカスも残ってしまいがちです。なかなか自分の目で確かめることが難しい場所ですから洗いづらいと思いますが、脚を広げて、放射線状に刻まれた肛門まわりのシワを意識しながら丁寧に優しく洗いましょう。
それと、肛門よりも上のお尻の谷間も、ムレやすい場所です。ここも忘れないようにしてくださいね。
丁寧に洗うと、一時的に腟口から腟前庭の粘膜がむき出しの状態になるため、お湯やソープが染みることもあります。そんなときこそ、しっかりと保湿をすることが大切です。
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感じるところ
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