生き方
極北の大地を、犬橇で旅する。ロマンを抱いた男の壮大な夢のように聞こえるけれど、著者の角幡さんは冒険家として様々な土地へ赴いたのちに、グリーンランドに通うようになった。旅の拠点にするシオラパルクの村を一歩出ると、もうそこは無人の、氷と雪の世界。時おり出合うのは、狩猟の対象になる海豹や麝香牛や兎、そして角幡さんの食料や餌を狙って近づく白熊や狼だけだ。そこは人と顔を合わせることはない、孤独の世界でもある。
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