【Step1】「仕事」という言葉のイメージを変えよう!
20代の頃、日本でサラリーマンをやりながら「仕事なんてやってる暇はない」といきがっていたのを覚えています。「仕事は楽しくないもの」という偏見があり、「仕事」という言葉にネガティブな印象を強くもっていました。いまでも「仕事」という言葉はなんとなく苦手ですし、同じように感じる方も多いのではないでしょうか。
仕事という言葉を別の言葉に置き換えるとすれば、皆さんはどんな言葉を選びますか?
「生業(なりわい)」「貢献」「生活の糧」「困り事の解決」「社会とのつながり」など、いろんな言い換えパターンがあると思います。
個人的には「実験」という言葉がいちばんフィットします。
「仕事」という言葉だと、どうしても「失敗してはいけない」というプレッシャーを感じてしまいますが、「実験」と置き換えることで「失敗は成功のもと」と挑戦しやすいマインドになりますし、どんな新しい発見ができるのかとワクワクもしてきます。
「仕事」という言葉を言い換えるだけで、どこか重苦しい「仕事」のイメージが軽快になりませんか?
【Step2】「しなくてはいけない」仕事に「しなくてもいい」を取り入れる ~トム・ソーヤに学ぶ仕事の捉え方~
世界中で読み継がれている、アメリカ少年文学の傑作『トム・ソーヤの冒険』にこんなエピソードがあります。有名な話なので一度は読んだり聞いたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
主人公の少年トムが「しなくてはいけない」嫌な仕事である塀のペンキ塗りを、アイデアひとつで、周りの子供たちが進んでやりたくなる仕事に変える様子が描かれています。トムはペンキ塗りを退屈な義務としてではなく、特別で楽しい活動であるかのように振る舞います。
その様子を見た子供たちは、その「特別な体験」に参加したいと感じ、トムに頼んで塗らせてもらおうとします。彼らはペンキ塗りを楽しい活動として引き受け、トムは報酬を受け取りながら、仕事を他人にしてもらうことに成功します。
このエピソードは、同じ行為でもその捉え方次第で「義務」から「楽しみ」へ変えることができることを示しています。トムは、その行為の価値を再定義し、他人から「やりたくなる」気持ちを引き出すことで、単なる仕事に「遊び」の要素を付け加えたのではないかと私は解釈しました。
トムのように、「仕事」を「遊び」の要素があるものだと捉え直すことによって、ストレスや心の余裕の度合いも変わってくるのではないでしょうか。
会社に出勤すると同時に始まる「メールの返信」という仕事も、ルーティーン感覚でこなすのではなく、相手をどうハッピーにする場として捉え、ゲーム感覚でやってみても遊び感がでてきます。定例会議のファシリテーションだって、毎回違ったアイスブレイクを試して、よい雰囲気づくりにチャレンジしたりすることで、参加者たちの義務感も和らいでいくのではないでしょうか。
「しなくてはいけない」と「しなくてもいい」は余白をつくる練習の重要なキーワードです。
「しなければならない」と感じてしまう仕事にあえて「しなくてもいい」というエッセンスを加えるだけで、余白的な仕事観に近づいていきます。
他のメンバーとの仕事に「しなくてもいい」ことを盛り込むのはハードルが高いかもしれませんが、自分の仕事の範囲内で「しなくてもいい」ことをやってみることを試してみてください。
それだけで、仕事の感じ方が変わっていくのを実感できるはずです!
20代の頃、私が仕事に対してネガティブだったのは、義務感を強く抱いていたからだと思います。仕事を「実験」と言い換えて、少しでも「しなくてもいい」ことの感覚を強めることで、30代、40代と歳を重ねるごとに、仕事に対して「むしろやりたい!」という気持ちを徐々に得られてきたように思います。
【Step3】「◯◯は仕事を遊びに変える」~○○に入る言葉を考えよう~
最近、うちの息子・娘は、洗濯物を畳んだり、買い物に行ったりと、家事を積極的に手伝ってくれています。母親に喜んでほしいという気持ちからだと感じていますし、どこか遊び感覚でやっているようにも見えます。彼らにお手伝いの対価としてその報酬を払えば、本来の「母親を喜ばせたい」という気持ちが薄まり、仕事チックになっていくんじゃないかと思っています。
皆さんも、最初は遊び感覚でやっていたお手伝いも、お小遣い(報酬)をもらうための行為になったとたん、億劫になってしまったという幼い頃の記憶がありませんか?
報酬は遊びを仕事に変えてしまうのです。
逆に、仕事を遊びに変えてくれるものは何でしょうか?
「変化」「余白」「裁量」「創意工夫」など、いろんな言葉が入ると思います。
「◯◯は仕事を遊びに変える」
◯◯に、皆さんはどんな言葉を入れますか?
仕事観に余白を取り入れるためにも、ぜひ考えてみてもらえたらと思います。
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余白をつくる練習
効率的に仕事をしても、それで空いた時間に別のことを入れて、一向にタスクが終わらないと感じたことがある人も多いはず。
私たちはいつになったらゆったりした時間を持てるのでしょうか。
世界100カ国を旅したあと、世界幸福度ランキング1位のフィジー共和国へ移住した著者が伝える、人生に自分時間を取り戻す「余白のつくり方」。