世の中の #トホホ を拾い集めては披露してくれる、歌人芸人の岡本雄矢さん。何を見ても、笑い転げてしまう時代がありました…。『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』『センチメンタルに効くクスリ トホホは短歌で成仏させるの』絶賛発売中!
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アンテナを伸ばしてる車があってそんなんでゲラゲラ笑えてて
先日、タクシーに乗っていた時のこと。
ふと隣の車を見ると、二十代前半くらいの男女四人が車内でめちゃくちゃ笑っています。
助手席の女性も、後部座席の男女も、体をのけ反らせるほどに笑っています。
運転席の男性に至っては、ハンドルから手を離し、両手を叩いて笑っていて、運転は大丈夫なのか? と、こちらが心配になるくらいの笑い方です。
大いに盛り上がっている車内ですが、なぜそんなに盛り上がっているのか、僕には知る由もありません。
その光景を見て、僕は二十代前半に友だちとドライブした時のことを思い出しました。
隣の車のように男女混合ではなく、男だけでのドライブでした。
その道中、アンテナを伸ばして走っている車を見つけて、僕らは大笑いしました。
「アンテナ伸ばして走ってる車、はじめて見たよ!」
「あれ意味あるのかよ!」
それこそ、あの隣の車の男女のように、体をのけ反らせ、手を叩いて笑った記憶があります。
他になにを喋ったのか、どこに行ったのかも覚えていません。
アンテナを伸ばした車を見て、ゲラゲラと笑った記憶だけが鮮明に残っています。
そんなことを思っているうちに、タクシーは目的地に着きました。
後で、久しぶりにその頃の友だちに連絡してみようかな。
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新刊『センチメンタルに効くクスリ トホホは短歌で成仏させるの』に続き、
『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』が文庫に!
読めば読むほど、なぜか幸せな気持ちにしてくれる短歌&エッセイをお楽しみください。
僕の不幸を短歌にしてみました(エッセイつき)
著者は、主に”不幸短歌”を詠む「日本にただ1人(たぶん)の歌人芸人」。
よく失敗する、言いたいことが言えない、反論したくても返せない、なぜ自分だけこんな目に合うのかといつも思う、自分には劇的なことが起こってくれないと嘆いて生きている……。
そんな著者から見える”世界”を、フリースタイルな短歌(&ときどきエッセイ)にしてお届け。
もしあなたが自分のことを「不幸だ」と思っているなら、「もっと不幸な男」がここにいると思ってください。
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