かつてはレッスン開始ギリギリにスタジオに飛び込むスタイル(?)でしたが、再開後は早めに到着して身体をほぐすようにしています。なにしろ長いブランクの後なので、ケガをしないためにも準備運動は必須です。こういうところ、運動部育ちの血というか、やるとなると妙に真面目です。
スタジオに到着するや即レッスン、終わればストレッチも無しに速攻帰宅の大人バレリーナたちを見て「Unbelievable!」と思ったりしています。(かつての自分のことなどすぐに忘れ去るのは得意技)
早めに着くとまだ前のクラスのポワントレッスンが行われていました。
スタジオには先生の声が響いています。
「細く~」
「〇〇さんもっと細く~」
「長く~」
「薄く~、お腹もっと薄く~」
先生の注意にもその時の流行というか、「今月の強化ポイント」みたいなのがあって、ある時は踵で床を押すだったり、ひたすら足先だったり、頭の位置だったり、一定期間同じところを重点的に注意されます(もちろん、他もたっぷり注意されます)。
「今の強化ポイントはそこなんだ……」ストレッチをしながら、繰り返されるワードをぼんやりと聞いていました。
午後のクラスのレッスンが始まりました。
筋力の衰えを痛感しながらのバーとセンター。特にセンターでは苦手な方の手足が出ないことに愕然としました。日常生活で利き手利き足ばかり使っていてはダメですよ、皆さん。
ポワントレッスンはしばらくお預けと思っていましたが、前のクラスを見てやりたくなったので参加することにしました。今は基礎を強化中のようで、バーで基本的なことをゆっくり繰り返します。関節の向きを合わせ、足指を伸ばし、床を押す。土踏まずを使う。膝を伸ばし、お腹を引っ込め、体幹を感じ、真っ直ぐに立つ。そして、
細く~
長く~
薄く~
スタジオに再び先生の声が響き渡ります。
今月の強化ポイント、細く、長く、薄く。
さっきはぼんやり聞いていたその言葉は、己に向かって投げかけられると全く違って聞こえました。
細く?
長く??
薄く???
ですと?
え? 先生??
本気でおっしゃってる??
大丈夫?
しかし、決して諦めないのが我らが先生です。
輝くゴッドハンドでもってひとりひとり丁寧に手直ししては、
「ほーら伸びた! 長くなった(当社比)」
「〇〇さん、薄くなりましたよ!(と自慢げに鏡を指差す先生)(当社比)」
「わー、△△さん、めっちゃ細くなったー(当社比)」
と。
Really?
Is it possible?(反語)
先生が褒めて育てる派なのは間違いありません。
育っているかどうかはともかく。
しかし、私たちにとっては
細苦~
長苦~
薄苦~
であり。
これ、記事を書いていたら出てきた予測変換です。
私のタブレット天才か。
最近のタブレットは心を読むんか。
AIの仕業か。
ま、とりあえず、みんな、がんばろ。
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大人バレエの世界
いくつになっても憧れる華やかなバレエの世界。アラフォーからバレエを始めた著者による、楽しく、たくましく、哀しくもおかしい“大人バレリーナ”の日常。
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