1. Home
  2. 暮らし術
  3. 防衛大流 最強のリーダー
  4. 「頑張ります」ってどのくらい? 意識の低...

防衛大流 最強のリーダー

2025.01.08 公開 ポスト

「頑張ります」ってどのくらい? 意識の低い部下を動かす「数値化」という手法濱潟好古

部下に「来月は頑張ります」で終わらせるのは上司失格?! 幹部自衛官を養成する日本最強の教育機関「防衛大学校」が教える、必ず結果を出すためのリーダーの哲学・所作を体系化した書籍『防衛大流 最強のリーダー』より、一部を抜粋してお届けします。

部下のやる気は数値化しろ

仕事を共にする部下の中には、いろいろな性格の人がいる。意識の高い人もいれば、低い人もいる。現在リーダーの立場にある方だったら、頭を悩ましたことが一度はあるのではないだろうか。

そのやる気も、数値化するとはっきりと見えてくる。

例えば、目標数値を決める話し合いのとき、10人のチーム全体で1000万円の利益を目標として決めたとする。そのとき、意識の高い人は「では、私は300万円の利益を上げます」「私は200万円でいきます」などと積極的に言うものだが、意識の低い人は、「じゃあ、まあ、50万円ぐらいってとこですかね、私は」などと言う。

そういうとき、私は息もつかせず、「なるほど、あなたは50万円なので、チームへの貢献度は5%ということだね。10人いるのだから、1人およそ10%は貢献してもらいたいのだけど、君は5%が限界かな?」と、はっきり数値化して確認する

すると、「あ、いえ、では10%頑張ります」などと、自分の低い数値目標を撤回することが少なくなかった。

 

また、やる気はあるけれど、なかなか成果が上がらない部下もいる。彼らはやる気があるから「来月は頑張ります」「残り5営業日頑張ります」と「頑張ります」を多発する。

この「頑張ります」に安心してはいけない。この「頑張ります」すらも、全て数値化するのだ。つまり、「何をどれくらいいつまでに行動するのか」ということだ。営業担当だったら、「先月は30社のお客さまを開拓して3件の成約でしたので、今月は60社のお客さまを開拓して6件成約します」といった具合だろうか。そして、成果が上がっていない部下にはとことんマンツーマンで一緒に考えていこう、というスタンスで臨むことをお勧めする。

一緒に考え決めていこうというスタンスを取れば、チームの1人ひとりに対して、「俺はお前を絶対に見捨てない」という気持ちが伝わりやすくなる。部下任せにしたり、突き放してしまうと、部下が何を考えているかも分からなくなり、結局、リーダーである自分の足も引っ張られることになる。そうなると本末転倒だ。しつこいようだが、リーダーの仕事は部下の力を借りて組織として最大のアウトプットを出すことだ。

 

気合や根性ですら数値化する習慣が部下全体につくと、チーム全体の空気も良くなる。そして、仮に思ったような成果が出なかったとしても数値化した行動内容に焦点を当てて、次のアクションプランを考え、実行することができる。

部下教育に数値化は欠かせない。

強いチームも目の前の部下の教育から

とはいえ、5、6人から10人くらいのチームなら可能だが、100人、1000人の会社になっていくと、部下1人ひとりと向き合うような教育もなかなか難しくなる。

だからこそ、「目の前の部下」にリーダーは全力で向き合い、同じようなマインドをどんどんつくって浸透させ、広げていかなければならない。同じマインドの部下が増えるとリーダーシップも発揮しやすくなるし、チーム全体の空気も良くなり、何よりも一枚岩のチームに近づく。

私が在籍していたころの防衛大では部屋の人数の最小単位が5~6人だった。これは、しっかり目の前で見て、行動だけでなく、感情まで把握できる人数を考慮していたのだと思う。

また、防衛大と違って、会社ではチームで寝起きを共にしているわけではないので、日中仕事をしている姿しか分からないと思う人もいるだろう。

だからこそ、目の前の部下のマインドにおいても、技術においても、考え方においても、それらを力強く高めていくリーダーシップが必要となる。

 

最初のうちは、このような部下教育に相当な時間を要する。しかし、時間がかかるからといって目の前の部下の教育を怠っては絶対にいけない。

とはいえ、リーダーが部下を絶対に見捨てないと思っていても、箸にも棒にもかからない部下はいるものだ。真面目だけれど自信が持てない部下には、じっくり時間をかけて自信が持てるだけの実績をつくれるように教育していけばいいが、もし、不真面目でやる気のない部下であれば、向き合う教育というよりも、チームとしての仕組みを変えていったほうが賢明な場合もある

 

いずれにしても、他の人と比べることなく、「自分は周りに比べるとちょっと劣っているな」ということを分からせるシチュエーションに置き、自分自身で悟らせる教育も必要だろう。

*   *   *

この続きは書籍『防衛大流 最強のリーダー』でお楽しみください。

関連書籍

濱潟好古『防衛大流 最強のリーダー』

国家防衛を担う、究極の人材育成法! 日本最強の教育機関「防衛大学校」が教える、必ず結果を出すためのリーダーの哲学・所作を「6つの力」に体系化し初公開!

{ この記事をシェアする }

防衛大流 最強のリーダー

「戦場だったら死んでるぞ!!」幹部自衛官を錬成する日本最高の教育機関で学んだ、リーダーの哲学・所作を6つの力に体系化し初公開!!

バックナンバー

濱潟好古

組織マネジメント・人材育成コンサルタント。株式会社ネクストミッション代表取締役。1982年生まれ。 防衛大学校卒業後、海上自衛隊幹部候補生学校を経てIT系ベンチャー企業に営業職として入社。入社2年目から5年目まで売上№1営業マン。6年目に営業部長に就任後は中堅、新人にかかわらず全ての営業担当に目標予算を達成させる。独立後は企業を対象に組織マネジメント、リーダー研修を行うほか、雑誌、ネットメディアで活躍。著書に『防衛大で学んだ無敵のチームマネジメント』(日本実業出版社)、『何があっても必ず結果を出す「防衛大」式最強の仕事』(あさ出版)がある。

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP