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夢みるかかとにご飯つぶ

2025.01.11 公開 ポスト

【夢ごは日誌】留学することにした清繭子

留学することにした

今年は生意気にもいろんな方からのお仕事を断っている。
年末に自信作が二本も一次落ちした衝撃で目が醒めた。
仕事している場合じゃない。
ワイ、小説書かなあかん。

こういう時、器の小さい私は、お金の計算から始める。
まず、昨年の年収を書き出してみた。
幸いなことに、目標年収よりけっこうお金を稼いでいた。といっても、お金持ちになったわけでは決してない。目標年収を必要最低限のラインで設定しているため、もともとクリア前提の目標なのだ。
そこで出た余剰のお金を12で割る。
すると今年は、ひと月●万円分働かなくていいことが判明した。
つまり、●万円分の仕事をセーブして、その時間を小説にあてられるというわけだ。
昨年暮れに始まった大型案件があるので、なかなか仕事のペースを落とせないのだが、とにかく強い決意と勇気をもって、仕事をセーブするぞ!

さらに、SNSもセーブしよう。昨年はデビュー年だったから、とにかく自分と「夢ごは」を売り込むのに必死で、SNSにだいぶ時間を取られていた。デビューから時間が経った今では、その宣伝効果も限定的だろうし、ペースダウンしたっていいだろう。

だけど、心配性なので決めたそばからドキドキしてくる。
「そんなに仕事断っちゃって、声がかからなくなったらどうするの?」
「宣伝しなくなったら、存在を忘れられちゃうんじゃない?」
「それって小説家になる前提の施策だけど、そんな夢物語に賭けちゃって大丈夫?」
そんな自分に、こう説得することにした。

去年稼いだお金で、留学したと思えばいい。
社会人で留学するひとなんていっぱいいるでしょ。
たとえ1年留学して、帰国後転職(私の場合は小説家デビュー)できなくっても、留学経験がもともとの仕事にも絶対活きるでしょう。

決めた! 清は今年、脳内留学します!
(あ、連載「小説家になりたい人が~」やエッセイのお仕事は今年もバンバンやりたいです)

関連書籍

清繭子『夢みるかかとにご飯つぶ』

母になっても、四十になっても、 まだ「何者か」になりたいんだ 私に期待していたいんだ 二児の母、会社をやめ、小説家を目指す。無謀かつ明るい生活。 「好書好日」(朝日新聞ブックサイト)の連載、「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」が話題のライターが、エッセイストになるまでのお話。

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夢みるかかとにご飯つぶ

好書好日連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」が話題の清繭子さん、初エッセイ『夢みるかかとにご飯つぶ』刊行記念の特設ページです。

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清繭子

エッセイスト。1982年生まれ、大阪府出身。早稲田大学政治経済学部卒。

出版社で雑誌、まんが、絵本等の編集に携わったのち、小説家を目指して、フリーのエディター、ライターに。ブックサイト「好書好日」にて、「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」を連載。連載のスピンオフとして綴っていたnoteの記事「子どもを産んだ人はいい小説が書けない」が話題に。本作「夢みるかかとにご飯つぶ」でエッセイストデビュー。

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