
「現状に不満がある」「本気でやりたいことが見つからない」「自分に向いている仕事なんてあるのだろうか?」こんな思いを抱えながら日々働いている人は、意外と多いかもしれません。ただ、裏を返せば、現状にもどかしさを感じる今こそ、自分を変えるチャンスが到来したとも言えます。本記事では、私たちの生き方を根本から変える、驚くべき脳科学的メソッドがまとまった新刊『自分の変え方 認知科学コーチングで新しい自分に会いに行く』より、「はじめに」の全文を特別公開いたします。
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「今」にもどかしさを感じるあなたへ
「そこそこの有名企業で働いていて、収入も同年代の中では悪くない。
でも生きていて何か物足りない。充実していない感じ。
この満たされない感覚は何だろう」
「今の仕事は違うと思って転職をしてみても、次の会社でも同じ。
年収を上げても、職種を変えても何か違う。
自分に向いている仕事なんて、あるのだろうか」
「毎日行きたくないと思いながら仕事に行き、やりたくない仕事をしている。
でも、別にやりたいことと言われても思いつかない。
自分はどこかで何か間違えたんだろうか」
この本は、そんなふうに感じながら生きている人たちに向けて書きました。
「何かが違う。だから自分を変えたい。でもどうやって? そもそも何を変えればいいかわからない……」
このような焦りを抱えながら生きている人は多いはずです。
そして、このページを読んでくれているあなたも、その1人かもしれません。
では、一体どうすれば自分を変えられるのでしょうか。
この本では、認知科学をベースにしたコーチングで自分を変えていく方法をお伝えしていきます。
「認知科学コーチングとは何か?」ということについては、後ほどくわしく解説しますが、
○人間という生き物の心と身体の基本構造を、しっかりと理解する
↓
○自分自身を幸せにする要素を掘り出し、目指すべき方向を定める
↓
○その上で「今の生き方の外側」にGOALを設定し、そのGOALの自分になる
というプロセスで、「これまでの生き方の延長では決してたどり着けなかった場所」へ自分自身を移動させます。
このような変化を、「パラダイムシフト」と呼んだりしますが、認知科学のコーチングという“ツール”を正しく使えば、パラダイムシフトは実現できるのです。
自分の仕事で幸福感を得られると、人生が変わる
私は今、「すべての人に可能性がある」という企業理念を掲げるコーチングカンパニー、株式会社ミズカラの代表を務めています。
そして、その理念に共感して集まってくれた仲間と一緒に、パーソナルコーチングや研修を通して、多くの人たちの可能性を広げるサポートを行っています。
その中で最近、私が特に強い危機感を覚えているのは、「今の自分の仕事に充実感を感じられない」という若い人が増えていることです。
本来、仕事というのは、自分の能力や機能を活かし、人を幸せにし、その結果として自分が幸福感を得られる活動のはず。
「仕事に充実感を感じられない」と嘆いている人は、「自分自身の幸せ」という判断軸ではなく、「世間がイメージする幸せ」といった他人の判断軸で仕事を選び、その仕事で充実感を得られないと感じています。
しかし、現在の状況を、他人の判断軸で作り上げてしまっているにもかかわらず、「変わりたくない」という人間本来の習性に支配されて、これまでと同じような選択、同じような行動をこれからもしてしまう――だから、同じような毎日が続いてしまうのです。
そしてそれは1年後、5年後も今のあなたと変わらない、悶々とした状態を作ることを意味します。
もしも、「自分の仕事に充実感を感じられない」という人たちが、認知科学のコーチングをきっかけに「自分の仕事に心から充実感を覚える」という状態へと大転換できたら、日本はどうなるでしょうか。
多くの人が「自分の仕事は最高だ」と感じながら働けたら、人口が減少し、失われた30年を突き進んできたこの日本の状況を打破するほどのエネルギーが生まれると私は考えています。
それほど、やりたいことを主体的に行ったときの人間のエネルギーは大きいのです。
そしてさらに、仕事という領域は特別です。
なぜかというと、仕事は「他人を幸せにする行為」だからです。
この他人を幸せにする行為が、なぜ今重要なのでしょうか。
特に最近では、幸せという状態を、
「自分が好きなことをやっていればいい」
「美味しいものを食べられたらいいじゃん」
「欲しかった時計を買った」
「異性にモテた」
このように捉えている人が増えているように思います。
こういった種類の幸せは、言い方を気にせず表現すれば、動物でも感じられる幸せです。
なぜこういう人が増えているのか――それは自分のことしか考えていないからです。
つまり、余裕がないのです。自分のことだけしか考えていない人は、抽象度が低い状態にあります。
自分に関係することだけを考えている状態について、考えてみましょう。
「抽象度」は「視座」と言い換えてもいいですが、人間は自分が重要と感じているものしか見えないし、聞こえません。
つまり抽象度が低く、自分のことだけしか考えていなければ、今の自分よりレベルの高い情報は入ってこないのです。
それもそのはず、必要がないからです。しかし情報が入ってこなければ、新しい体験ができず、成長できません。
こんな状態では、自分のやりたいことを探しても見つからないのは当然です。
人間だけが、他人を幸せにすることに幸福感を覚えることができるのです。
他人を幸せにしようとすることで、あなたの抽象度、視座が上がります。
あなたの能力や機能を使って、他人を幸せにすることで、あなたの実力が上がります。
実力がつけばまた、より多くの人を幸せにすることができます。
例えば、あなたが食べることが好きなら、その食べている様子を動画で発信することで、誰かが喜ぶかもしれません。あなたが好きなお店をインスタグラムで発信することで、誰かがメリットを感じられるかもしれません。
あなたの活動によって、誰かを幸せにしたなら、それは仕事になります。そしてそれによって、あなた自身が本当の幸せや充実感を得ることができるのです。
だからこそ、仕事の領域は特別なのです。
そして実際、私たちの会社では、これまで5000人を超える方の人生のサポートを行ってきました。仕事で充実感を得られるようになったことで、その他のあらゆること(人間関係、お金、健康、趣味など)が好転する例を何度も見てきました。
仕事というのは、それほど大きな影響がある、人間にとってカギとなる活動なのです。
「この先に自分の望む未来はない」と感じるなら
パラダイムシフトをすることで、誰でも自分を変えることができます。
ただし、それは決して簡単なことではありません。
なぜかというと、そもそも人間は「変わりたくない」という本能を備え持っているからです。
この本能は思っているよりも強力です。
そういった経緯や特性を乗り越えて、自分自身が「変わる!」という覚悟をし、行動しなければ、人は変われないのです。
ここまで読んでみて、「今の自分の暮らしも決して悪くないな」と感じたのであれば、あなたはわざわざパラダイムシフトをする必要はないと思います。
けれども、「今の暮らしのその先に、自分の望む未来はない。だから、この機会に自分を変えてみたい」とあらためて感じたのであれば、ぜひこの先のページへと進んでほしいと思います。
この本があなたの人生を変革する1冊になることを、著者として心から願っています。
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