
“恋は盲目”……
この言葉をシェイクスピアが残してから数百年。
現代においてもその言葉は普遍的であり、恋に盲目な二人の起こす行動の数々は外野から見れば理解し難く映るものだ。
『恋は闇』第2話では、まさに外野である視聴者には理解し難い男女の様子が描かれていた。ドラマを観た方なら共感していただけるであろう“あの”ラストシーンのことである。
視聴者の皆様とドラマを同時視聴している私たちの配信でも、疑問の声が多くあがった衝撃のラスト。
誤解なきように言っておくと、その描写も含め 第2話も最高に面白かった。
でもわからないのだ。
なぜ二人が急に情事に至ったのか……。
惹かれ合う男女の感情が揺れ動く様は、その二人だけにしかわからないと言われたらその通りかもしれない。しかし私たちドラマ考察YouTuberは、このドラマのミステリーパートの考察はもちろんのこと、外野には理解不能な情事への流れの謎も真剣に紐解いていきたい。
過去描写が事件解決への大ヒントに?
シェイクスピアもびっくりな“世紀の急情事”の件を解剖する前に、まずはミステリーパート『ホルスの目殺人事件』の考察を第2話の情報を交えて進めていこう。
ゾロ目の日(例:1月1日)に合わせ、会社員女性が毎月殺害されていくこの連続殺人。遺体の両目にはカラーコンタクト(右目:オレンジ、左目:青)が入れられているという異様さ。第2話において事件の新たなヒントとなる描写は正直少なかった。
しかし重要となりそうな“浩暉の過去”らしき描写が、浩暉(志尊淳)が寝ている時の夢として描かれた。
その夢の中では、少女が桜の木の前で飛び跳ね、場面が切り替わると女性(紺野まひる)が血を流して倒れていた。
夢の中の浩暉は、現在の浩暉よりも若く見えるのでこれは数年前に起きたことだとわかる。
少女の方の考察は難しいが、この当時の浩暉の年齢を加味すると女性(紺野まひる)は浩暉の母親である可能性が高い。
ここから『ホルスの目殺人事件』の全貌を考察するに、浩暉はその母親を殺害した真犯人を炙り出すべく現在起きている連続殺人の現場に現れているのではないかと考えられる。
現場に現れ自身が真犯人として疑われる状況を作る事で警察の目を自身に向けている間に、浩暉自らが警察より先に真犯人を探し出す。
そして探し出した真犯人に自らの手で復讐しようと考えているのではないか。
その真犯人について、私たち6969bは内海向葵(森田望智)であると睨んでいる。
どうしても文字だけで真犯人考察を述べるのは伝わりづらいところもあるため、詳しくは過去の動画をご覧いただきたい。
それよりも私は二人の情事について語りたくて仕方ないので、そろそろいいだろうか?
悔しさの果てに人はSEXをするのか?
第1話に引き続き、第2話でも浩暉と万琴(岸井ゆきの)の二人は“少女漫画の世界”を繰り広げていた。
その中でも恋愛ドラマでしか観ない描写の代表格『記憶を無くしてベッドの上で起きた朝、布団の中をそっと確認するヒロイン』をミステリードラマで観れた事は感慨深い。
やはりこのドラマはミステリーと“少女漫画ばり恋模様”の塩梅がとても見事で観やすい。
……にしても布団の中を覗き込むこの仕草、一体何を確認しているのだろうかと毎回思う。
衣服や下着を着用しているか否かの確認だとしたら、いちいち目視せずとも肌と接触する布団の感触でわかるだろうに。
こんな話を熱心にメンバーとファンの方に向けて話したことがあるけど、同じ熱量での議論は出来なかった。このシーンに対して世の関心はさほど高くないのだと実感した。私は大好きだ。
そんなドキッとするベッドの上から始まった第2話。
その後も思わず笑っちゃうほどに浩暉は万琴にちょっかいを出す。
「ちょっと!」「やめてください!」なんて言いつつも相変わらず満更ではない様子の万琴。
中華料理屋で万琴がレンゲに乗せた麻婆豆腐を、浩暉がその手ごと掴んで口に放り込んだりもした。あんなこともやって良いのか、イケメンは。
……いやそうではないのかもしれない。
もうあの時点で互いの好意は相当なところまで達していたのだろう。
顔がイケメンだからとかではなく(それもめっちゃある)、この1話~2話の中で積み上げてきた関係値だからこそ
一般男性が真似しちゃいけないラインの行動も許すし、不快ではないのだと思う。
振り返ると浩暉もそこの距離の縮め方は徐々にやっていたような……たぶん。
「もうお前ら付き合っちゃえよ~」と30回ほど心の中で言ったあたりで、例のラストシーンに差し掛かった。
被害者遺族のインタビューが世に流せないことへの悔しさに涙を流す浩暉と万琴。
そんな二人は抱擁し合い、有ろう事か口付けを交わしたのだ。
まだ付き合っていない二人……被害者遺族から絶縁宣言をくらった直後……
わからない。
しかし、唖然としている視聴者をよそに二人の行動は止まらなかった。
なんと一緒に帰宅した二人は、抑えきれない悔しさを分かち合うかのようにひとつになったのだ。
あれ? 早くない? さすがに早くない? 大人ってこういうものなのか?と、33歳の無垢な私は思った。
だが振り返ってみると、万琴は浩暉に対して常に見えない尻尾を降り続けていた。
浩暉のすべてを受け入れ、人として好意を寄せ、仕事人として尊敬をしていた。
一方の浩暉は、万琴と離れた後も万琴の事を思ってかニヤリとした表情を見せ、まだその内面は謎に包まれていながらも万琴に好意を寄せていることは明らかだ。
二人がひとつになったのは決して性欲先行で動いた結果ではない。
惹かれ合いながらもどこかボタンひとつかけ違っていた二人の魂が、同じ悔し涙を流した事でぴたりと共鳴し合い、心の凹凸が重なった瞬間こそが求め合ったあの時だったのではないだろうか。
序章はここまで。本番はこれから。
人は誰しも予想外の事象を前にすると理解が追いつかない。
今回のラストシーンはまさしくそれだったのかもしれない。
しかしこれで舞台は整った。
ドラマ開始前からのキャッチコピーである“愛した男は連続殺人鬼なのか?”状態にやっとなったわけです。
言わば、2話まではプロローグ。
次回辺りでは浩暉の過去も明らかになり、より深い真犯人像が浮き彫りになるかもしれない。
真犯人を必死で追いかけるも良し。浩暉と万琴の情事に夢中になるも良し。
来週以降も『恋は闇』を共に味わい尽くしていきましょう。
著者:ケメ・ロジェ
ドラマイラスト:サク
考察食堂 -ドラマを噛んで味わう-

3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!
今話題のドラマの真犯人は?黒幕は?このシーンの意味は?
物語を深堀りして、噛むようにじっくり味わっていきます。