原子炉建屋も周辺グルメも放射線も全て入った「批評」の本
いま一冊の本を作っている。それは「福島第一原発の廃炉」についての本で『福島第一原発廃炉図鑑』というタイトルにする予定だ。3・11から5年たった2016年に成し遂げなければならない仕事だと思っている。
この本は批評の本だ。政治批評であり、社会批評であり、文化批評であり、他の様々な分野における「いま、そこに存在する言葉のあり方について考える」ことを目的とする。
そこには「福島第一原発廃炉」の現状が描かれる。事故を起こした原子炉建屋、汚染水が入ったタンク、労働環境、あるいは、福島第一原発周辺地域のグルメ案内やサーフィンスポットといった町の状況。当然、放射線のことも。
これのどこが批評と結びつくのだろうかと、疑問に持つ人がいるのは当然だろう。そして、なぜあえていま「批評の本を作る」などと宣言してみるのか分からないという人が大部分だろう。
そこには3・11から5年が経つ現在における、私自身の問題意識がある。批評の言葉や批評的な態度がなければ社会は健全なダイナミズムを失い、新たな世界観を作り続けることが困難になるのではないか。この危機感が私の問題意識だ。
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