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「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人

2016.02.22 公開 ポスト

第6回

「シャツ」 究極のスタイルアップアイテム大草直子

人気スタイリスト大草直子さんの文庫最新刊『「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人』(2月9日発売)より、試し読みをお届けします。春に向けて、「おしゃれ心」を高めませんか。

「シャツ」 究極のスタイルアップアイテム

 ここ最近、よくシャツを着ます。高校生の頃の「アメカジ全盛期」には、ボタンダウンをよくコーディネートしていましたが、その後それこそ20年近く、ほとんどシャツを着ない時期を経て。この長い「シャツ不在」の理由は、とても簡単。似合わなかったから。素材の選び方がまずかったのか、着方なのか、スタイリング自体が間違っていたのか。もしくは、クリーニングにこまめに出したり、ホームクリーニングをした後のアイロンが面倒くさかったのかもしれません。
 ただ、30代後半のある日、「フランク&アイリーン」というアメリカのシャツブランドの1枚に出会ったことで、突然、シャツ愛が再燃しました。小さな衿【えり】の、コットンや麻、コットンリネンなどの張りのある素材、小さな同色のボタンがついていて、丈はボトムにINしてもきちんと収まってくれる長さ。シングルのカフスの長袖||これが理想。もちろんデニムを合わせたってきちんと見えるし、白や淡いブルーなどを選べば、顔色もワントーン明るく見せてくれます。そして何より、体形を補整し、着やせして見せてくれる。そう、私たち大人にとって、こんなにも味方になってくれるアイテムはないのです。衿をさりげなく立たせて、デコルテにきれいなVゾーンを作れば、首や骨っぽい鎖骨をすっきりと際立たせてくれる。そしてウエスト。裾を一度ボトムの中に入れて、肩をくっと上げてみてください。きちっと入れた裾が程よくたるみ、ウエストのラインをきれいにぼかしてくれるのです。
 シャツは、このように女性の華奢でしなやかな部分を強調し、気になる部分を上品に隠してくれる。お腹まわりや二の腕が気になるなら、頼るのはチュニックではなく、シャツなのです。
 そうして、シャツの着こなしに少しは上達した今、次に挑戦したいのは、シルクの1枚。とろみと艶やかな光沢がある、シンプルなデザイン。子供でも、中途半端な大人でも着こなせない、本物の大人のためのシャツ。
 

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「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人

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大草直子

1972年東京生まれ。スタイリスト、エディター。『おしゃれの手抜き』『「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人』『「明日の服」に迷うあなたへ』など著書多数。2015年よりウェブマガジン「mi-mollet」の編集長を務める。

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