最近お世話になった、私より少し年上の整体師のレディは、整体師以外に「レスラー」という肩書きもお持ちの方でした。昔のボーイフレンドが大のプロレス好きで一緒に試合観戦に行っていたこともあり、私もプロレスには興味がありました。ですから女性で、しかもこんな身近にその仕事をされている人がいらっしゃるとは…ただ驚くばかりでした。
彼女は明るいハキハキとした美人でしたから、話しやすくてモテるだろうな…と思っておりましたが、もうひとつの肩書きのおかげでますます魅力に深みが増したように見えたのは気のせいでしょうか、強くて美しい…ロールプレイングゲームに出てきそうな女戦士を彷彿とさせます。うっかり惚れてしまっては向こうも困るでしょうから、惚れないことにしましたが。
彼女のようなアスリートのレディたちは、「美しいのに強い」という(見方によっては)相反する魅力を兼ね備えた神秘性を感じます。現実の世界でも女性スポーツ選手は「妖精」や「女神」など語られ、神話のなかに出てくる女性陣は大抵強さとしなやかさを兼ね備えていますし(女神同志の争いは大抵力勝負で勝敗がついている気が…)、漫画の世界でも美しい女戦士なしでは読者が食いつかない…なんてこともあります。燃え上がる敢闘精神と闘争心を「女性性」で包んで生きているなんて…またうっかり惚れてしまいそうです。
女性の姿のままでも、男装の麗人としても周囲を魅了する「美と強」の女神たち。日頃の鍛練はさぞかし苦しいものでしょうが、これからも憧れの対象として、気高い存在でいて欲しいものです。惚れたらごめんなさい。
【今月、壇蜜が気になったモノ】
母に貸した自宅の鍵が返ってきました。セキュリティを気にしてこんなに重装備なのですが、この紙は何処から…?
出典:『GINGER』2016年3月号より
Honey Ginger
「女の色気」をテーマに、壇蜜さんが出会ったその月に感じた〝女の気づき〟について語ります。
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