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失恋、浮気、離婚、不倫、友人関係、死別、物の処分。ペットロス……。離れられない人、忘れられない人、やめられない人へ、前に進むための「さようなら」のトリセツをお届けします。
なかなか別れられない不倫の手放し方
占いや悩み相談で多いものに、「不倫」があります。コーチングのセッション内容でも扱うことが多い分野です。コーチングセッションで不倫がテーマになる場合、たいていの人が不倫をやめたい、という内容のものでした。
不倫反対者にとっては、以下に書くことは反感を呼ぶかもしれませんが、不倫は、一概に良いか悪いかを判断できるものではないと思います。ダブル不倫といわれていても、それで夫婦関係のバランスが取れていることもあります。夫は、不倫相手との心の安らぎの時間があるから仕事を頑張ることができ、それが家計を支え家族のためになっている、はたまた妻が不倫している場合、自分に関心を払ってくれない夫でも、外で気持ちが満たされることによって夫に優しくできている、ということもあるからです。または、不倫されている奥さんであっても、夫の相手をしなくて済む、という夫婦関係のバランスを取るために、夫の浮気を黙認しているケースも多々ありです。同意の下の不倫も含め夫婦の事情はさまざまなのです。
ただ、自分の将来のために別れを選択する場合、「不倫をやめたい、でも相手を心から愛している」という気持ちは身を切られるほどの苦痛となるでしょう。不倫をやめたいと思っている人は、たいていの場合、自分は独身で相手が結婚している場合の不倫。つまり、「自分も温かな家庭を持ちたい」という願いがあり、相手とはそれが叶わないからケジメをつけて前に進みたい、というケースです。
(中略)
さて、あなたは自分の人生をどう生きたいと思いますか? できるできないを考えずに、まずどうしたいと思いますか? たいていの場合「今、付き合っている彼に離婚してもらって結婚できたらうれしい」といいます。実際、結婚をほのめかしてくる既婚男性も多いですから。しかし、多くの場合、そういいながらも付き合ってから数年が経ち、独身女性の貴重な時間をただただ自分の利己的な欲望を満たすためだけに、付き合っている男性がほとんどです。有言実行していないのです。中には、不倫相手に甘い言葉をいいながら、奥さんとの間に子供ができてしまうケースもあります。
そんな彼の事実をじっくりと見てもらい、あなたは本当に口だけ男のために自分の人生を捧げたいのか? と今一度問うと、やっぱり、その彼との未来が見えないと結論される方がほとんどです。
この場で私からもひとこといわせてもらえば、言葉に真実はなく、すべての真実は行動に表れるため、結婚をほのめかし、数年も経っていて前に進んでいないなら、その男性は嘘つきなので、一刻も早く関係をやめるようすすめたいです。
(中略)
最初は一人になる不安や、この人ほど愛せる人が現れるのだろうか? と思うかもしれませんが大丈夫! 不倫の恋を終わらせて、次へ行きましょう。
決意をしたら、少しずつ離れようなどと思ってはなりません。一気にお別れしましょう。また、決意したときに、相手の男性と会って話をしたいと思うかもしれませんし、相手も最後にちゃんと会ってお別れをしたいというかもしれませんが、それもおすすめできません。会ってしまうと情にほだされ、また肉体関係を持ってしまい、ズルズルとその後も関係を持ってしまう可能性が大きいからです。
別れる決意をしたら、もうメールでお別れを切り出してもいいのです。あなたにはその権利があるからです。もし相手がメールでは嫌だというのなら、嫌なら奥さんと別れてから連絡を頂戴、とでもいったらいいのです。
クライアントの中には、こんな経験をした方がいらっしゃいました。
妻子がいる男性との不倫関係に良心が痛み、かつ結婚をほのめかされてはいたものの、まったくその気配もなく、苦渋の決断で独身女性の側から別れを切り出しました。「幸せな結婚生活がしたい」という気持ちからでした。男性を愛する気持ちには変わりがなかったのですが、その女性はけじめをつけたのです。なんという勇気の決断でしょう。そして、彼と会うことをきっぱり絶ちました。彼は、なんとかして会おうと試み、その女性にいつものように弱音を吐いたり会いたいといったりしていましたが、女性の決意は変わりませんでした。
その後、なんと男性は自分の結婚生活にけじめをつけたのです。そして、改めて彼女に交際を申し込み、その後に二人は結婚しました。女性は、略奪愛ではなく、自然に独身になった男性と一緒になったのです。しかし、前の項目にも書きました通り、縁がつながる人とは別れてもつながる、ということなのです。これは稀な例かもしれませんが、別れた後には、誰かと結婚しているケースがほとんどなのです。
ポイントは、しっかり別れるということ。その後は前を向いて生きるということです。別れた後は、その男性と復縁を期待しないほうがいいです。それは過去を向いて歩むことになるので、スペースが空かないあなたの心に、誰か他の素敵な男性が入り込む余地がないからです。
そして、夫に不倫されている奥さんにもお伝えしたいことがあります。たいていの場合、女性というのは、自分の夫よりも、相手の女性へ怒りと憎しみを持つことが多いです。それは、女性は肉体関係だけよりも、心と心のつながりを大切にしているので、その部分に対して怒りを持つ傾向にあるからです。
もちろん、相手の女性に怒りを持ちたくなる気持ちもわかりますが、悪いのは、あなたの夫です。既婚という立場でありながら、あなたという存在がありながら、欲望だけで行動し相手の女性に手を出したのです。しかも、相手の独身時代の一番若くて美しいところを味わっておきながら、何の責任も持とうとしなかった、という事実に目を向けましょう。
被害者は、あなたでも夫でもなく、どちらかといったら独身女性のほうです。そして、夫がそういうところに気持ちが向いてしまった理由も、少しだけ考えてみるきっかけとなるかもしれません。
(中略)
不倫であっても夫婦関係であっても、その関係を続けるにしても終わらせるにしても、一度決意したら腹をくくり、前に進んでいきましょう。人生、何を決定したとしても、何を選択したとしても、いいことも悪いことも五分五分で起きるのですから。ならば、自分の決定に責任を持ちつつも、今後の人生、「いいこと」のほうに注目して楽しく前向きに生きていきましょう。