著書累計67万部突破、ブログ「美人になる方法」は1日約5万人が訪問。女性から絶大な人気を誇るワタナベ薫さんの最新刊『あなたは、「別れ」でもっと輝ける!』が、本日発売となりました。
失恋、浮気、離婚、不倫、友人関係、死別、物の処分。ペットロス……。離れられない人、忘れられない人、やめられない人へ、前に進むための「さようなら」のトリセツをお届けします。
「運命の人」と、なぜ別れるのか?
離婚を決意したのは、もっと前のときですが、奇しくも、この本の執筆の最中に、私は「運命の人」であった二人目の夫と離婚をしました。私たちの夫婦としての歩みは終わったものの、それでも私にとって彼は、そして彼にとって私は、やはり「運命の人」であることには違いありません。私たちは、出会ったことでそれぞれの今があるのですから。
さて、運命の人とは別れることはないのでしょうか? たいていの場合、そう思われているようですが、答えはノーです。一般的には、一生一緒に添い遂げる相手が「運命の人」と思われているかもしれませんが、それは違います。出会うべくして出会い、その後終わりが来るとしても、その人との出会いは、今の人生で学ぶべきことがあったから。それをきっかけにいろいろと実践しながら学ぶのです。たとえ、その相手が、自分を苦しめる相手だったとしても何か意味のあること。そういう意味では、やはりその人はあなたにとって「運命の人」なのです。
それは、あなたの子供と出会うためだったかもしれませんし、その人のかかわる誰かとのご縁だったかもしれません。もしくは、愛し愛されることから、憎しみや悲しみを味わいきって、人として成長するためだったのかもしれません。
どんな人でも出会った人は運命の人ではありますが、別れがないというわけではありません。すべての人には必ず、どんな形であったとしても別れが来ます。死別の場合もあれば、お互いの選択による別れかもしれません。別れは単純にいえば、その人との学びが終わった、というだけの話。それは、友人関係でも家族関係でも、恋人同士でも夫婦でも同じです。
別れは一般的にネガティブに捉えられているかもしれませんが、その人との学びが終わって、その人から「卒業した」ということです。
二度も離婚した自分をかばうわけではありませんが、離婚したのは、忍耐がなかったからだとか、わがままだったからだとか、人格にどこか問題があったからだと昔の人はいうかもしれません。しかし、そんなことはありません。結婚生活は苦しいこともつらいこともありましたが、それでも楽しいこともたくさんあり、いい経験をさせてもらいました。
決して、別れに関してネガティブに捉えたり、相手に執着してはなりません。あなたが前に進めないどころか、いつまで経っても不幸である場合、それは執着してしまっている側だからです。さっさとその結婚生活やその人から学んだことを拾い、「はい! 次!」でいいのです。
私自身の経験をいえば、出会ったときも、そして別れのきっかけがあったときも、まさか離婚するなどとは一ミリも想像しませんでした。最初の結婚のときも、そして二度目の結婚のときもです。
それでも「流れ」というものがあり、一時期はその流れに逆行するかのように、必死に離婚を避けようと思った時期もありました。しかし、力を抜いて、流れの方向に身を委ねよう、とふと思ったのです。そして、この結婚から学んだこと、元夫から教えてもらったこと、などを数え上げているうちに、体と心と思考がフッと軽くなった感覚がありました。この流れに身を任せていいんだ、と思いました。
そのときはわからなかったのですが、今では明確にわかることがあります。私の未来で待っていることは、もし元夫と一緒にい続けていたら、ないということです。
私が、よく読者に伝えている「天は私に悪いようにしない」ということを信じて、流れに身を任せることにした途端、天からのギフトだらけになり、生涯付き合いたいと思えるような新しい友人との出会いや、新たな分野での海外ビジネスなどなど、ここには書ききれないほどの贈り物を天からいただきました。
そして、綺麗にまとめているかのように聞こえるかもしれませんが、今、元夫にある感情は感謝しかありません。私は、円満離婚を目指していたのでもなければ、平和に収めたいと思っていたわけでもありません。むしろ、お互いぶつかり合って、意見し合って、大暴れしたことが何度かありましたが、今思えば、感情の解放と、そして自分の至らない点などを直視する機会もありまして、お互い決断したときには、今まで生きてきた中で、最大の学びを頂戴した気分にもなりました。
本当にこの決定に至るまでは、つらい時期もありましたが、今は清々しくて、感謝の気持ちしかなくて、やはり彼は私にとって「運命の人」だったことがわかります。そう、運命の人とは、出会うことになっていた人、そして人生の学びを頂戴できる人のことなのです。たとえ、後になって別れたとしても、相手がいい人かそうではない人かにかかわりなくです。もちろん、添い遂げる人もいることでしょう。そういう「運命の人」もいます。
別れが来なくても訪れても、そこに善も悪もありません。ただそこにあるのは経験と学びだけなのです。もし「運命の人」だと思っていた人と別れたとしてもガッカリしないでください。次なる楽しい学びが待っているのですから。