ドラマ「真田丸」を観続けてきた人は、ずっと淀殿の妖艶さが気になって仕方なかったはずです。いまや淀殿は、天下を左右する存在。彼女の心を動かすことができるのは、あの“幸村”しかいない!?
さて、秀吉や家康のように表舞台に出る名前ではないけれど、時代を脅かした真田家。彼らのことを知りたい人は、『超現代語訳 戦国時代』を読むと、ドラマもますます楽しめますよ!
* * *
幻冬舎plusをご覧のみなさん、こんにちは。
こちらで「東大生も唸った! 超現代語訳 戦国時代」という記事を書かせていただいている、房野史典と申します。
最近では、大河ドラマ「真田丸」についての解説を書いているのですが、こちらも多くの方にご覧いただいてるようで、ありがたい限りです。ですから、「ありがたいなぁ」と思いながら、今週も「真田丸」について、多少語らせてもらいます。
今回のタイトルは「砲弾」。
砲弾とは、大砲から放たれる”弾丸”のことですが、一体誰が、誰に向けて?
答えを言ってしまいます。大砲を撃ったのは徳川家です。その矛先は、大坂城(昔は”坂”)にいる”豊臣家”に向けられたものでした。
真田幸村(堺雅人さん)によって築かれた”真田丸”という名の砦によって、大ダメージを負った徳川家康(内野聖陽さん)は、兵を撤退させます(これがいわゆる”大坂冬の陣”の出来事です。詳しくは前回までの記事をご覧ください)。
そして家康は、”次なる手”を繰り出してきたのでした。
その最初に行われたのが、何十万という兵士に”鬨の声(えい! おー! ってやつです)”をあげさせるというもの。お城をぐるりと囲んで、夜毎大音量の声を聞かせて、豊臣側のみなさんを精神的に参らせようという作戦です。
そして、さらにたたみかけるように家康が出した手は、幸村を徳川の味方に引き込もうというものでした。
久しぶりに登場の、幸村の叔父・真田信尹(栗原英雄さん)に、幸村を説得するよう依頼します。その交渉条件は、「徳川につけば、10万石を与える」というものでした(”石”っていうのは、”石高”ですね。お米の取れ高で表す土地の生産性のことっす。大名や武将の、財力や軍事力のバロメーターになっていました)。
通説では、信尹が幸村へその旨を伝えたところ、あっさり断られたといいます。
その報告を受けた家康は、今度はなんと「信濃(長野県だよ)一国を与える」という、破格の条件を提示して、再び幸村の元に、信尹を使わせたのでした。
それに対しての幸村の返答は……。
ここから先は会員限定のコンテンツです
- 無料!
- 今すぐ会員登録して続きを読む
- 会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン
超現代語訳 戦国時代 笑って泣いてドラマチックに学ぶの記事をもっと読む
超現代語訳 戦国時代 笑って泣いてドラマチックに学ぶ
歴史大好き芸人・ブロードキャスト!!の房野史典さんが、戦国時代を、”超現代語訳”したら、こんなにおもしろい物語になった!
東大卒の某人物も「こんなに頭にすんなり入ったことがない」と大絶賛したという、驚愕のわかりやすさ&面白さ。
NHK大河ドラマ「真田丸」でも大人気の「真田三代」のほか、歴史好きにはたまらない人選と人物描写で、読ませます。
戦国時代ほど、人間ドラマの宝庫はない!連載開始直後から、大人気。教科書で見かける有名な武将たちも、思わず可愛く思えてくる。笑いあり、涙ありの、戦国ドラマを、ぜひ。
→→連載人気が沸騰に沸騰して、ついに書籍化!『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』は絶賛発売中です。
- バックナンバー
-
- 【房野史典、世界一受けたかった河合敦先生...
- 【房野史典、世界一受けたかった河合敦先生...
- 【房野史典、世界一受けたかった河合敦先生...
- 「目次を開いたとき、強い違和感を覚え、思...
- 5月14日(日)、奇跡のヒットを飛ばした...
- ずーっと話題になり続けてる本『笑って泣い...
- バカ売れ新書『応仁の乱』が難しくて読めな...
- ドラマ真田丸、涙の最終回には「タイトル」...
- 物語は終焉へ――。滅ぶと知りながら、それ...
- 死へと向かう、真田幸村。少ない史料の中か...
- 歴史が動くときに、女あり! ところで、ド...
- 淀殿の女心を手玉に!? 真田幸村の真意に...
- 興奮度マックスのドラマ「真田丸」。今まで...
- ついに「真田丸」の全貌が――。感動の“神...
- ドラマ・真田丸で戦国マニアを“激アツ!”...
- 大阪城に集まった“牢人”たち。その中で、...
- 三谷幸喜さんの描く「真田幸村」は、幸村に...
- 世捨て人のような生活に馴染んでしまった信...
- 追放された地で、真田信繁、ほんとはどうな...
- ドラマ「真田丸」。現代を生きる我々の生き...
- もっと見る