東工大の教授(メディア論)である著者が、納棺師の女性の勧めで、突然、父親の「おくりびと」になったリアルな体験から、家族の死とどう向き合うのか?
というプリミティブな感情を綴る。遺体の着替えをやるなどして考えた「死者へのケア、死者からのケア」についての論考と、「コロナ禍」で向き合う家族の死と「Zoom」の関係も。付章として、養老孟司さんと、「おくりびとアカデミー代表」木村光希さんへのインタビューも収録。
■「さわる」だったその手に「ふれた」とき、親父が帰ってきた、と思った。
■5日間、亡くなった家族と過ごした稀有な体験
■コロナ禍だからこそ遺体が葬儀場に向かわずに家で。
■父親の「おくりびと」になった貴重な時間の記録
■納棺師の女性が教えてくれたか「エンゼルケア」
もくじ
[プロローグ]親父が死んだ。そして「納棺師(見習い)」になった。
[1章]コロナで会えない--親父の病、ボケ、そして死。
[2章]コロナがもたらした神「Zoom」。お通夜も、葬儀も、お見舞いも。
[3章]私と弟、生まれて初めて親父に下着を履かせる。
[4章]親父との握手。「さわる」から「ふれる」へ。そして世界が変わる。
[5章]弔いである前に、死者のケア、生者のケア。
[6章]『手の倫理』と、居間で戦うウルトラセブン。
[付章1]「おくりびとアカデミー校長」木村光希さんに、聞いてみた。
[付章2] 養老孟司さんに、聞いてみた。
[エピローグ]1年後のストリートビュー。
[解説的あとがき]ケア、ミーム、埋葬、バーチャル化、そして「からだ」
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