ガムを噛みながら動くと、運動効果がアップ!
噛むことで、足の筋力が強くなる。
下あごの位置を正しくすると、高齢者も転倒しない。
いい噛み合わせと咀嚼が、認知症を予防する。
噛むことの効用は、口周りだけでなく全身の運動機能にも影響を及ぼしていることがわかってきました。
例えば、ものをしっかり噛むと“咀嚼筋(そしゃくきん)”が活動し、大脳の咀嚼に関する部位の興奮を促しますが、その刺激は体を動かす筋肉、骨格筋を支配している脳の他の部位にも伝わり、結果、全身の筋肉(骨格筋)をウオーミングアップの状態にしていることが解明されています。
さらには、噛む動作が平衡感覚、動体視力も高めているという報告もあります。スポーツ選手が試合中にガムを噛んでいるのも、リラックスのためだけではないのです。
“噛むこと”には、まだまだ解明されていない身体効果が隠されていると考えられています。
中高齢者をはじめとし、私たちの「健康」は今、自らの努力でつくる時代となりました。本書は噛むことが全身に与える効用を解明する研究最前線を探り、それをわかりやすく解説するとともに、ウオーキングなどのスポーツと連動させる新たな健康づくりへの応用とその可能性も考えます。
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