海外で猛威をふるっている新型インフルエンザウイルスが、日本にも上陸したという。
枯渇している特効薬の増産のため、国内でも最新の設備を搭載した東都製薬の工場が指定され、二十四時間の増産体制に入った。
そんな折、エールシステム社で、のほほんと仕事しているSE神谷翔のところに、公安のミサキと名乗る女性から、奇妙な依頼が舞い込む。
東都製薬の工場が、コンピュータウイルスに感染したとの情報があるため、マスコミ沙汰になる前に、至急、工場に赴いて調査・駆除してほしいという。
工場のシステムのことは分からないと言う翔に、ミサキは「全て遠隔で指示を出す」という。
翔に名乗るようにと渡された名刺には、なぜか、翔の尊敬していたスーパーハッカー、黒川龍の名が。
黒川龍は、「光の道」なる怪しい宗教法人に関わって失踪したきり、表舞台に姿を現していない。
誰がどんな目的でウイルスを送り込んだのか? 無線で話しかけてきた黒川は本物なのか?
任務が完了した暁には、翔の高校時代に失踪したガールフレンドの黒川美咲にも会えるという。
翔はいよいよ美咲と再会できるのか?
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