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避赤地

2024.10.19 公開 ポスト

思い出とゴーストマヒトゥ・ザ・ピーポー

ハイエースで足をたたみ岡山を目指す。物販のダンボールと機材の隙間や、前の座席の角など各々の工夫で置かれる足のポジショニングは幾たびも反復され、それによりたどり着いた熟練の技を感じさせる。バンドワゴンの移動でもう何度この高速道路を通っただろう。いつも渋滞する海老名、果てしなく静岡は長く、四日市の工場地帯に夕暮れが重なるとうっとりと瞼は重くなり、車内DJが役割のわたしはお決まりのようにFenneszのEndless Summerをかける。もはや立ち寄ったことのないパーキングは無く、昼飯はメニューを見なくてもバンを降りた瞬間に決めることだってできる。

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*マヒトゥ・ザ・ピーポー連載『眩しがりやが見た光』バックナンバー(2018年~2019年)

関連書籍

マヒトゥ・ザ・ピーポー『銀河で一番静かな革命』

海外に行ったことのない英会話講師のゆうき。長いあいだ新しい曲を作ることができないミュージシャンの光太。父親のわからない子を産んだ自分を責め続ける、シングルマザーのましろ。 決めるのはいつも自分じゃない誰か。孤独と鬱屈はいつも身近にあった。だから、こんな世界に未練なんてない、ずっとそう思っていたのに、あの「通達」ですべて変わってしまった。 タイムリミットが来る前に、私たちは、「答え」を探さなければならない――。 孤独で不器用な人々の輝きを切なく鮮やかに切り取る、ずっと忘れられない小説。

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避赤地

存在と不在のあいだを漂うGEZANマヒト、その思考の軌跡。

バックナンバー

マヒトゥ・ザ・ピーポー

ミュージシャン。2009年に大阪にて結成されたバンド・GEZANの作詞作曲を行いボーカルとして音楽活動開始。
2014年からは、完全手作りの投げ銭制野外フェス「全感覚祭」も主催。自由に境界をまたぎながらも個であることを貫くスタイルと、幅広い楽曲、独自の世界を打ち出す歌詞への評価は高く、日本のカルチャーシーンを牽引する。
著書『銀河で一番静かな革命』『ひかりぼっち』、絵本『みんなたいぽ』(絵:荒井良二)。映画監督作品『i ai』がある。

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