「仕事ができる」「正しい働き方」って、本当はどういうこと?
10月19日(土)に開催された、ひらりささんと鈴木綾さんによる「『おいしいごはんが食べられますように』読書会〜職場の人間関係、どう付き合う」のアーカイブ動画の販売が始まりました。
今回で3回目になる読書会は、イギリスにお住まいの綾さんがちょうど東京にいらっしゃっていたタイミングだったこともあり、おふたりそろっての会場初開催となりました。
課題図書は、『おいしいごはんが食べられますように』(高瀬隼子 講談社)。2022年の芥川賞受賞作です。同じ職場の二谷、芦川さん、押尾さんが織りなす“職場ホラー”ともいえる小説です。仕事に食と恋愛が絡まり起きる理不尽が、リアリティをもって描かれています。
登場人物、あらすじを簡単に説明したあとは、まずおふたりの感想から。
日本文化に染まっていない綾さんは、「イギリスでは職場の人と一緒に食事する機会が少ないから不思議に思うかも」「海外の会社だと芦川さんみたいな人は残ってない」。ひらりささんは、「友達でも家族でもないのに、長い時間を過ごすことで同質性が高まっていく職場のイヤさとおもしろさが描かれている」「芦川さんは実は図太いのではないか」と。
事前に届いた感想にも、芦川さんの自分の仕事のできなさを「手作りのケーキ」でカバーすることへの違和感が多数ありました。
その一方、がんばらなくても、やる気がなくてもいい働き方が認められてもいいのでは?という声も。成果主義か、ワークライフバランスしか選択肢はないのだろうか? という指摘にハッとさせられました。
話題はさらに、プライベートな人格と職場の人格はどこまで同一か、どこまで自己開示をするか、さらには職場恋愛についてどう思うかなどへ。
客席からも積極的に手があがり、それぞれの悩みに対して他の参加者から意見と知見が寄せられ、会場は登壇者も客席もまじりあう空間になりました。
開催後に届いた感想をご紹介します。
初めて会場での読書会に参加しました。思っていた以上にインタラクティブな交流ができ、「1人よがりや専門家の該博な知識を傾聴する」といった読書会と異なり、非常に満足することができました。
また、皆さんがそれぞれ異なる悩みを抱えていたが、共通する部分もあり、本自体は未読でしたが、早く本を読んでアーカイブをみて復習しようと思える充実した読書会でした。
私は押尾さんサイドで芦川さんを断罪する見方で読んでたんだけど、芦川さんサイドの立場の意見や芦川さんが活躍できる領域について考察があったのが面白かった。私だって、いつでも押尾さん側にいられる訳じゃ無いんだなって、思った。
とても楽しかったです! 自分の感想を読んでいただいて嬉しかったです。また、世代の違いも感じました。(中略)労働者同士で能力の多寡を比べるより、職場は心理的安全性を確保するほうがメリットが大きいように個人的に思います。横領とか発覚しやすいので。
外資と日系企業のカルチャーの違いや、参加者の経験談など色々聞けて楽しかったです!
アーカイブは、11月18日(月)23時59分まで視聴可能です。ぜひご利用ください。
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