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衰えません、死ぬまでは。

2024.11.03 公開 ポスト

第20話 運気がますます下がる 後半

日帰りできないほど遠い父の故郷に残された墓…。さて、どうしたものか。宮田珠己

死後の世界へ思いを馳せていたところ、妻から言われた一言。「墓をなんとかしてほしい」……。

*   *   *

そうなのである。昨今、墓問題で頭が痛いのである。

宮田家の墓は、今住んでいる東京の自宅からはるかに遠い、兵庫県の北のほうに位置する山間の小さな集落にある。そこが亡き父の故郷なのだ。父は成人して京阪神に働きに出、その後地元に戻ることはなかったから、後に生まれた息子の私はその地を知らず、今では親戚もいなくなって、ただ墓だけがある。

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衰えません、死ぬまでは。

旅好きで世界中、日本中をてくてく歩いてきた還暦前の中年(もと陸上部!)が、老いを感じ、なんだか悶々。まじめに老化と向き合おうと一念発起。……したものの、自分でやろうと決めた筋トレも、始めてみれば愚痴ばかり。
怠け者作家が、老化にささやかな反抗を続ける日々を綴るエッセイ。

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宮田珠己

旅と石ころと変な生きものを愛し、いかに仕事をサボって楽しく過ごすかを追究している作家兼エッセイスト。その作風は、読めば仕事のやる気がゼロになると、働きたくない人たちの間で高く評価されている。著書は『ときどき意味もなくずんずん歩く』『ニッポン47都道府県 正直観光案内』『いい感じの石ころを拾いに』『四次元温泉日記』『だいたい四国八十八ヶ所』『のぞく図鑑 穴 気になるコレクション』『明日ロト7が私を救う』『路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅』など、ユルくて変な本ばかり多数。東洋奇譚をもとにした初の小説『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』で、新境地を開いた。

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