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 乗り物で移動するだけが旅ではないと思っている。

 三年前まで、夕方、非日常の旅をしていた。近所のジャズバーである。

 当時、隣町にコワーキングスペースを借り、自転車で通っていた。主の自宅の一部をコワーキングにしていることから、18時でクローズする。

 朝から仕事をしていると、その頃にはたいてい電池が切れかける。18時きっかりに私はノートパソコンの入ったバッグを荷台に乗せ、まずは帰る道すがらにあるコーヒーチェーン店へ。1時間ほど細々した仕事を片付ける。メールの返信や原稿の調整など、あまり頭を使わなくていい作業をやる。

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ある日、逗子へアジフライを食べに ~おとなのこたび~

早朝の喫茶店や、思い立って日帰りで出かけた海のまち、器を求めて少し遠くまで足を延ばした日曜日。「いつも」のちょっと外に出かけることは、人生を豊かにしてくれる。そんな記憶を綴った珠玉の旅エッセイ。

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大平一枝

文筆家。長野県生まれ。大量生産、大量消費の社会からこぼれ落ちるもの・こと・価値観をテーマに各誌紙に執筆。著書に「東京の台所」シリーズや『人生フルーツサンド』『こんなふうに、暮らしと人を書いてきた』『そこに定食屋があるかぎり』など。「東京の台所2」(朝日新聞デジタル&w)、「自分の味の見つけかた」(ウェブ平凡)、「遠回りの読書」(サンデー毎日)など各種媒体での連載多数。

HP:https://kurashi-no-gara.com/

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