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あぁ、だから一人はいやなんだ。

2019.01.30 公開 ポスト

第101回 ワイン道中膝栗毛<中編>いとうあさこ

今回もまた“お正月オーストラリアワインガブガブ旅”の続きをお聞き願えれば。すいませんです。

そんなこんなで今回は大久保さんの同級生・ケイちゃんを訪ねて参りましたオーストラリア・メルボルンの旅。到着した日は別にしても時間は丸々三日あります。その間にやりたい事は3つ。“ケイちゃんとの再会”“カンガルーに会う”“オーストラリアワインをガブガブ”。正直、初日終了時点で“カンガルー”以外の“再会”も“ガブガブ”もすでに叶ってはおりますが。だって“ガブガブ”に関しては到着した夜のワイン2本は書きましたが、実はその翌日、つまり三日間の初日の夜も川辺のレストランのテラス席で川から来る気持ちいい風を浴びながら、たっぷりのシーフードでたっぷりのワインをガブガブやらせていただきましたもので。ただですねぇ、ケイちゃん曰くメルボルンの近くに有名なヤラバレーと言うワイナリーだらけの素敵な土地があるとの事。それ聞いてしまったら、やっぱりしたいじゃないですか。そう、ガブガブatワイナリー。と言うわけで二日目はワイナリー&カンガルーの旅となりました。

朝ゆっくりしてからホテルを出た三人娘(平均年齢47.3歳)。ケイちゃんの案内でバスと電車を乗り継いで、ケイちゃんのお姉さんご夫婦の住むお家へ。今回ワイナリーへはそのお姉さんのご主人(スリランカ人)の運転で連れて行っていただく事に。ありがてぇ。「本当にすいません」と言うと「近いから大丈夫!」とご主人。カンガルーやよくわからない動物が描かれた標識を見ながら行く事1時間、ワイナリーに到着。いやいや、1時間なんて全然近くないじゃないですか。これを「近い」と言ってしまうオーストラリアの大地の大きさよ。そして心の広さよ。素晴らしい。

ワイナリーで試飲と言えば、レンガなんかで出来た薄暗い蔵みたいなところで小さなコップでいろいろなワインをお試し、みたいなイメージ。それが連れてきてもらったワイナリーには、小高い丘の上にある小さなレストランの片隅にテイスティングコーナーがありまして。ちゃんとテーブルに着いて、一面に広がるブドウ畑を見ながら素敵なワイングラスでお勧めの白3種、ロゼ1種、赤2種と計6杯をゆっくり堪能。しかもお姉さんが1本1本丁寧に説明してくれるのもいい。ただかなりの熱を持って話してくれるが故に、ものすごい早口でお話しになるものですから、何を言っているのかほとんどわからず。それでもお姉さんの口から時々聞こえてくる“Dry”や“Special”などの知っている単語をなんとか勝手につなぎ合わせて、このワインの歴史や味などを誰よりもわかった顔で頷きながら聞く。ま、言葉はわからなくても味はわかる、です。「いいお話聞きました」感満載の表情でゆっくりグラスを傾けワインをゴクリ。「ワオ、ファンタスティック。」お姉さんは笑いながら次のワインを取りに。これを6回繰り返すとそこそこいい気持ちに。いやね、知っているんですよ。本格的なテイスティングは口に含んだ後、用意された入れ物にペッと捨てちゃうんですよね。酔ったら味がわからないですから。でも、もったいないですもの。“MOTTAINAI”の国の人ですもの。もちろん一滴残らず呑むわけです。お姉さん、そんな私のグラスを見て一言。「ビューティフル!」サンキュー。

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