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だから、あの人は嫌われる

2022.02.23 公開 ポスト

地味なお弁当への母からの「ありがとう」に涙 感謝は「想像力」を使って「言葉にする」吉原珠央

「また会いたい」と思われる人の38のルール』など、これまで多数のベストセラーを発表してきた、イメージコンサルタントの吉原珠央さん。昨年上梓した『だから、あの人は嫌われる』は、副題に「対人関係がうまくいかない人の解決策」とあるように、コミュニケーションのプロである吉原さんが編み出した「対人関係のコツ」が詰まった決定版的な一冊。これを読めば、好かれる人の特徴、嫌われる人の特徴がよくわかります! そんな本書の一部を抜粋してご紹介しましょう。

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母からもらった忘れられない言葉

仕事でもプライベートでも、好きになる人や尊敬できる人には、いくつかの共通点があります。

その一つが、相手のことをわかろうという態度で接してくれる点です。

(写真:iStock.com/zakokor)

普段、あなたが家庭や職場でしていることは、常に周囲の人から言葉で感謝されたり称賛されることばかりではないでしょう。

例えば、
「家族の白い衣服は色物と分けて洗濯している」
「社内にあるコピー機のコピー用紙がゼロになる前に補充している(用紙が切れても知らないふりをする人もいる)」
「赤ちゃんから高齢者までがいる家庭の中で、年代に合わせた食事を作っている」
「相手の急なキャンセルによって複数の人に頭を下げて会議の日程を再調整した(自分がキャンセルしたわけではないのに)」
などなど。

 

さて、私が好きな人の中に、今は亡き母親がいます。

これまでの人生の中で、最も私のことをわかろうとしてくれた人でもあります。

生前、幼稚園の年少だった私の娘の園の運動会に来てくれたときのことです。

すでに病状の影響で体力が落ち始めていたにもかかわらず、母は、父と一緒に実家から一時間かけて都内まで孫の運動会を見に来てくれました。

お弁当の時間となり、私は生後6カ月の長男を抱っこしながら、家族全員で食べるために作ったお弁当を広げました。

お弁当の中身は、唐揚げにソーセージ、卵焼きなど定番のおかずと、3種類のおにぎり、そして梨や柿、巨峰などの季節の果物です。

唐揚げは前日の夕方に近所のスーパーで買ったお惣菜でしたが、「まだ赤ちゃんもいるのに、こんなに準備してくれてありがとう!」と母は私にいいました。

相手の立場になって想像してみる

私が子供の頃、4人の食べざかりの子供たちに、いつも手作りの食事を用意してくれていた母に比べれば、私のお弁当作りの労力などは手間も量も比べ物にはなりません。

それでも母は、日頃から私の家事や育児に対して、「あなたは十分、頑張っている」「少しくらい部屋が散らかっていたっていいんだから、きちんと休みなさいよ」などと声をかけ続けてくれました。

そして、デザートの果物を見た途端、母が私に「これだけの数の巨峰の皮をきれいにむいて、半分にカットしたなんてすごいわね! 子供が食べやすいように、梨や柿もこんなに小さくカットして、あなたがどれだけ家族を思っているか、お母さんはちゃんとわかっているからね!」といってくれたのです。

(写真:iStock.com/Nungning20)

確かに、果物を小さくカットしたのは子供たちのためもありましたが、食が細くなった母と、歯が弱くなった父のことも考えてのことでもありました。

手の込んだご馳走を作ったわけでもなく、見栄えも地味なお弁当でしたが、母は私がキッチンで黙々と巨峰の皮をむいたり、柿をカットする姿を想像し、感謝の言葉を伝えてくれたのでしょう。

そんなふうに、私しか知り得ない思いや過程に対する言葉が、涙が出るほど嬉しかったことはいうまでもありません。

 

そんなとき夫が、「唐揚げは買ったんだよね」と余計なことをいうと、すかさず母が「赤ちゃんがいるのに、朝から揚げ物なんかしたくないわよ! あなたは何か手伝ったの?」と彼に強烈な一言を返してくれて、皆で笑ったのでした。

相手の立場になって、必死に想像力を働かさなければ、相手が感動するような言葉を返すことはできません。

この差が、「人望のある人・ない人」「思慮深い人・そうではない人」となって表れていくのではないでしょうか。

 

実際には見ていない生活の一コマを見つけて、それを声に出して、大切な人に感謝を伝えられる人でいられたら、あなたはその相手の心に、誰よりも必要な人として刻まれるのです。

関連書籍

吉原珠央『だから、あの人は嫌われる 対人関係がうまくいかない人の解決策』

「頼み事がうまくいかない」「心を開いてもらえない」など、「自分が嫌われている」と思った経験は誰にでもあるだろう。自分も知らないうちに無神経な言動をして誰かを傷つけていないか、一度振り返ってみることは有用である。そこで本書では、メールで相談に乗ってもらったのに「なるほど」だけの返信をする人や、独りよがりの励ましをする人、エレベーターでわざわざ操作パネルから遠いところに立つ人など「嫌われる人」の言動を詳細に挙げ、そういう人をどう扱うか、そして周囲から「必要とされる人」になるためにはどうすべきか、その考え方や手法を具体的に解説。

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だから、あの人は嫌われる

「また会いたい」と思われる人の38のルール』など、これまで多数のベストセラーを発表してきた、イメージコンサルタントの吉原珠央さん。昨年、上梓した近刊『だから、あの人は嫌われる』は、副題に「対人関係がうまくいかない人の解決策」とあるように、コミュニケーションのプロである吉原さんが編み出した「対人関係のコツ」が詰まった決定版的な一冊。これを読めば、好かれる人の特徴、嫌われる人の特徴がよくわかります! そんな本書の一部を抜粋してご紹介しましょう。

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吉原珠央

イメージコンサルタント。プレゼンテーション、コミュニケーションをメインにしたコンサルティングを行うほか、「体感して学ぶ」というオリジナルのメソッドで、企業向け研修や講演活動を全国で実施。また、「ストレスフリー」をコンセプトにした化粧品・ファッションアイテムなどを扱う「PURA Tokyo」を立ち上げ、会社を経営。著書に『「また会いたい」と思われる人の38のルール』『「もっと話したい!」と思われる人の44のルール』『人とモノを自由に選べるようになる本』『自分のことは話すな』『その言い方は「失礼」です!』『だから、あの人は嫌われる』など多数。

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