便秘、ニキビ、アトピー、抜け毛、肥満、不妊症、不眠……。こうした体のあらゆる不調を根本から改善するには「菌ケア」が有効です。「菌ケア」とは毎日の食事や生活習慣を見直し、全身の菌バランスを整えること。『腸活にも、美肌にも、ダイエットにも! 菌ケアで美しくなる』から、菌ケアの方法とその効果を一部抜粋してご紹介します。
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毎日の味噌汁で効率よく菌ケア
どんな人にも毎日必ず摂ってほしいのが、日本が誇るスーパーフード、味噌汁です。菌ケア的には「菌を取り入れる」「菌のエサを取り入れる」の2つに当てはまります。
そもそも味噌は発酵食品で、菌がしっかり含まれている食品です。加えて、わかめやきのこ(水溶性食物繊維)、玉ねぎ(オリゴ糖)、魚のすり身(オメガ3脂肪酸)、など菌フレンドリーな食材と相性が良く、菌のエサや菌の働きを助ける成分も一緒にいただけます。国立がん研究センターの研究で、「一日3杯以上味噌汁を飲む人たちで乳がんの発生率が0・6倍=40%減少する」こともわかっている、女性に優しい健康食品です。
そんな味噌汁をさらにパワーアップさせる、5つのポイントを紹介します。
「味噌」にこだわる
ぬか漬けと一緒で、市販の味噌のなかには添加物が入っているものや、しっかり発酵できていないものもあります。本来、味噌作りは手間と時間がかかります。私が信頼する福井県のマルカワみそさんの場合、仕込みから約一年間の熟成期間を経て出荷されますが、一般的な市販の味噌だと2~3ヶ月。発酵の恩恵を十二分に受けたいのであれば、昔ながらの製法で作る味噌蔵を探すか、手作り味噌にトライしてみてはいかがでしょうか。
「玉ねぎ」+水溶性食物繊維で具沢山に
玉ねぎには菌のエサになる「オリゴ糖」やビフィズス菌の活性を上げる「ポリフェノール」が含まれています。ほかの食材とも相性が良いので、水溶性食物繊維が豊富な「しめじ」や「にんじん」「キャベツ」なども投入した具沢山味噌汁を作り、忙しい朝はせめてこれを一杯!
免疫機能を整え、脂肪燃焼を促す海藻「ながも」
水溶性食物繊維=菌のエサを豊富に含む海藻は、菌ケア的にも優れた食材です。さらに免疫をサポートしダイエットにも役立ちそうな素晴らしい海藻を見つけました。それが「ながも」。正式名は「アカモク」です。東北地方や新潟県、太平洋側の一部の地域で食習慣がある海藻で、プチプチした食感と強い粘り気が特徴。この粘り気の正体は「アルギン酸」と「フコイダン」です。どちらも水溶性食物繊維ですが、アルギン酸にはコレステロール値を低下させる働きがあり、フコイダンには免疫機能を整え、花粉症などアレルギー性疾患の症状を緩和させる効果が期待できるとの報告も。さらに、脂肪を燃焼させるという「フコキサンチン」も含まれ、海藻界のスーパーフードです。
オメガ3脂肪酸の源、「青魚」を味噌汁に取り入れる
長野県のとある地域では、サバの水煮缶を味噌汁に入れるようです。考えてみれば、サバと味噌は相性が良いですよね。サバの水煮缶には塩味がついているものが大半なので、出汁も味噌もやや少なめで作るのがポイント。実はサバの水煮缶は優秀な菌ケア食材で、添加物も入っていないことが多いのです。しかも、サバ自体はオメガ3脂肪酸が豊富。主菜で魚を取り入れるのが難しい人は、ぜひお試しください。
水の代わりに「豆乳」を使って味噌汁を作る
そもそも、味噌も豆乳も大豆から作られているので相性はバツグン。水で作るよりも濃厚な味わいになるのが特徴です。豆乳は、水を加えて煮た大豆を搾って「水分」と「搾りかす=おから」に分けたうちの「水分」のことで、大豆に含まれているオリゴ糖はかなり少ないという残念な事実が。ですから、豆乳のなかでも「大豆成分を取り除いていない(おから入り)」ものを選ぶことが、菌ケア的ポイント。このおから入り豆乳は大豆感が強く、やや飲みづらいのですが、それも味噌汁にしてしまえば違和感はありません。
菌ケアで美しくなる
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