あなたの悩みは、解消できます。それも、簡単な方法で。
著書累計220万部突破、自身のYouTubeチャンネル『精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル』も大人気の精神科医、樺沢紫苑先生。新刊『言語化の魔力』は、そんな樺沢先生の集大成ともいえる、究極の「悩み」解消本です。科学的に立証された即効ノウハウの数々、その中からいくつかご紹介します。
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心の「風船」が破裂する前に
何か困った問題、悩みを放置すると、徐々に「ストレス」や「つらい、苦しい」というネガティブ感情が溜まっていきます。
風船をイメージするといいでしょう。ストレスとネガティブ感情の風船は、発散せずにためこむと、ドンドン膨らんでパンパンになります。もう爆発寸前です。さらに放置していれば、風船はどこかでパーンと破裂します。
それは、心と身体の破綻です。メンタル疾患の発病。あるいは、脳卒中や心筋梗塞などの身体的な疾患として現れる人もいるでしょう。
風船が多少膨らむのは問題ありませんが、破裂しては困ります。
ですから、風船が膨らんできたら、適度に中のガスを抜くのです。これを私は「ガス抜き」と呼びます。定期的に「ガス抜き」していれば、破裂することはありません。
では「ガス抜き」とは何か。
「あなたが思っていること、感じているそのままを、ただ話すこと」です。
「弱音を吐く」と言いますが、「つらいです」「苦しいです」と口に出すだけで、ストレスとネガティブ感情は抜けていきます。
ガス抜きの特徴(1) 解決しなくていい
「何か困ったことがあったら、気軽に相談して」と部下に言っても、まず相談に来ることはないでしょう。もし来るとすれば、トラブルが深刻になってからが大半。
そもそも、日本人には、「相談する」という文化がありません。アメリカ人は、「困ったらカウンセリングを受ける」という発想がすぐに出てきます。日本人は、「他人に迷惑をかけず、自分一人で解決するのが美学」と考えるようです。
私もよく、精神科に来る患者さんに言います。
「なぜ、もっと早く相談しなかったのですか?」
「相談しても、解決しないので」と、みなさん同じように答えます。
「相談とは、解決法を明確にすること」と思っている人がほとんどです。だから、心理的なハードルが高くて、こう考えます。
「解決できない(コントロール不能な)問題は、相談しても解決しない。だから、意味がないので、相談しない」
そこで私は、「相談」という言葉をやめて、「ガス抜き」という言葉を使います。「相談しよう」ではなく、「ガス抜きしよう」。問題の解決を目的とせず、ただ困っていること、悩んでいることなど、何でもいいので話すだけです。
「ガスを抜く」ことが目的なので、問題を解決する必要はありません。
話を聞く側も、ただ「聞く」だけ。「助言」も「アドバイス」もいりません。
ガス抜きの特徴(2) 話すだけで9割解消
そんなことで、悩みが楽になるのか? と疑問に思う人も多いでしょう。
しかし、「ガス抜き」だけで、悩みの9割は解消される、と言っても過言ではありません。なぜならば、「ガス抜き」の理論は、心理カウンセリングの理論とまったく同じだからです。
「話すだけでいい」のです。カウンセラー視点で言うと、「聞くだけでいい」。聞くことに集中する。これを心理学では、「傾聴」といいます。
「助言やアドバイスをしない」も、カウンセリングの基本方針。正統派のカウンセリングでは、クライアント自身が、自ら「気付く」ことを重視しますから、「○○しなさい」「○○した方がいいですよ」という助言やアドバイスは基本、言わないようにします。
クライアントが、「○○した方がいいですかね?」と自ら気付くことが重要で、「気付き」を促すのがカウンセリングなのです。
「ガス抜きをしても意味がない」というのは、「心理カウンセリングをしても意味がない」と言うのと同じです。
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この続きは書籍『言語化の魔力』をご覧ください。
言語化の魔力
あなたの悩みは、解消できます。それも、簡単な方法で……。著書累計218万部突破、自身のYouTubeチャンネル『精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル』も大人気の精神科医、樺沢紫苑先生。新刊『言語化の魔力』は、そんな樺沢先生の集大成ともいえる、究極の「悩み」解消本です。科学的に立証された即効ノウハウの数々、その中からいくつかご紹介します。