スティーブ・ジョブズやイチローなど、世界的な著名人も実践していることで知られる「瞑想」。心にも身体にもいい影響があることが科学的にも実証され始めていますが、とはいえ毎日、時間をとって座禅を組むのは少々ハードルが高いですよね。
そんな忙しいあなたにオススメなのが、テレビでもおなじみの齋藤孝さんが書いた『疲れにくい心をつくる すすっと瞑想スイッチ』。ハミングをする、鏡に映った自分を見る、バッハの曲を聴く……。スキマ時間で簡単にできる、気持ちを鎮めて意識を整える方法を、本書からいくつかご紹介します。
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鏡は瞑想にぴったりのツール
鏡で自分を見つめ続ける、という瞑想法も取り入れています。
ロウソクを脇に置き、瞬きもせずに、ずっと自分の目を見続ける。涙がダラダラ流れてきて、結構きついのですが、ずっと続けているうちに、自分の顔がだんだんぼやけてきて、「これは誰だっけ」と思えてきます。
鏡は瞑想にぴったりのツールです。ただし、髪の毛を直すなど、他人の目を気にしている時点では、瞑想の域に達していません。
髪形や顔の化粧は直せても、眼差しに化粧の施しようはありません。鏡に映った自分の目を見ると、向こうからも見返されます。自分の眼差しなのに、鏡の向こうからも攻撃されて、一瞬ドキッとする。
鏡に映った自分の目でふと我に返ります。
私がこの鏡瞑想法をよくやるのは、酔ったときです。鏡に映った自分の目を見ると、我に返って酔いが覚めます。
見つめている自分と見られている自分が鏡の中で交差して、いまの自分の存在について考えさせられます。
それも瞑想的な「いま」を感じさせる体験です。
「ミラーカード」を持ち歩いてみる
男性の場合、外出先で手鏡を出すと、誤解を招きかねません。そこで私は、美術館などで売っている、表が絵で裏が鏡になっているミラーカードを使っています。
喫茶店などで仕事をしているときに、ふとした瞬間、ミラーカードを出して、自分の目を見て我に返るのです。
自我の発展段階のひとつとして「鏡像段階」があります。幼児が自分を鏡で見たとき、「あれは誰?」と思うようになれば、自意識の発展段階をひとつ乗り越えたことになる。それを応用するのです。
「鏡よ鏡、世界でいちばん美しいのは誰?」という童話の女王様のように、鏡をナルシスティックに自我を強める道具として使うこともできますが、自分自身を根本的に振り返るための道具という側面を見直しましょう。
目を片方ずつゆっくりと見つめると効果的です。
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疲れにくい心をつくる すすっと瞑想スイッチ
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