男と女には性差を気にするようになった年齢から、死するまでずっと物語がついてまわります。純愛、憎悪、打算……指を折れば両手でも足りないでしょう。そのいくつかを紡ぎたくて「妾屋」というシリーズを続けて参りました。
――上田秀人
『閨之陰謀』(3月19日発売)をもって、「妾屋昼兵衛女帳面」シリーズ(累計46万部突破!)を完結させた上田秀人さん。
上田さんからこのシリーズの構想をうかがったのは、今から4年半ほど前のことでした。
・「後継問題」が家の運命を左右した江戸時代には「妾屋」なる商売があった。
・その「妾屋」を主人公の職業にして、幕府も絡めたお家騒動に巻き込まれていく物語を考えている。
・妾になる女たちを見定める冷徹さを持ちつつも、いざという時には体を張ってでも女を守る主人公にしたい。
聞いているだけで興奮してきて「すぐに書いてくださいっ!」とお願いしたのがつい昨日のことのようですが、「妾屋昼兵衛女帳面」シリーズはその時の期待と興奮を遥かに上回る面白さで走り抜けました。
大藩のお家騒動に巻き込まれ、江戸で人知れず横行する盗難事件にのみ込まれ、老中との熾烈な暗闘を繰り広げ、大奥や吉原とも激しく闘い……。手に汗握る展開は読み応え抜群!! だけでなく、「人が人を思う気持ち」の温かさに胸を打たれるシーン満載のシリーズです。未読の方はぜひともお手に取ってみてください!
シリーズ完結を記念して、全巻のご紹介をさせていただきます。
<各巻あらすじ>
第一巻『側室顛末』(2011年9月10日初版発行)
<あらすじ>
世継ぎなきはお家断絶。苛烈な幕法に苦しむ大名旗本は、秘かに妾屋を訪れた。そんな稼業を営む山城屋昼兵衛の元に、ある日、仙台藩主の側室の求めが。だが、それを機に将軍継嗣にも絡む大規模なお家騒動が勃発。巻き込まれた昼兵衛は、側室を守る大月新左衛門と共に、大藩との熾烈な暗闘を繰り広げる--。人気沸騰の著者が放つシリーズ第一弾!
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第二巻『拝領品次第』(2012年3月15日初版発行)
<あらすじ>
妾屋昼兵衛の口利きで老舗両替商の用心棒になった大月新左衛門は、働きを認められ妾の護衛を任される。だがそれは、苦難の闘いの始まりだった。江戸では、表沙汰にできぬ盗難事件が多発。裏には、将軍家斉の鬱屈に絡む陰謀が。嗤う妾と、仕掛ける黒幕。否応なくのみ込まれていく昼兵衛と新左衛門は、危難を振り払えるか? 疾風怒濤の第二弾!
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第三巻『旦那背信』(2012年9月20日初版発行)
<あらすじ>
妾を巡る騒動で老中松平家と対立した山城屋昼兵衛は、大月新左衛門に用心棒を依頼する。その暗闘の裏には、ある企みを持って二人の働きを注視する黒幕の存在が。武と智を尽くして松平家と戦う昼兵衛と新左衛門。だが、幕政の闇は既に彼らをのみ込んでいた。裏で嗤う首魁が、将軍家斉を絡めて画策した驚愕の密計とは? 風雲急を告げる第三弾!
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