
お花屋さんで、桃の花を買いたい!
一家に一冊あるといいね、と評判の『神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること』より、桃の花の活け方について学びましょう!
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桃の花を部屋に活ければ、天下無敵
桃の木は、枝を自由に伸ばし、咲くときにはそれら奔放に伸びた枝にたくさんの花を咲かせ、実をつけます。どこまでも奥ゆかしい梅の木とはまた違った、天衣無縫な育ち方をする桃の木を見ていると、「無邪気が邪気を祓う」ということに思い当たります。
桃の木が枝いっぱいに豊かに花をつけるさまは、富や子孫繁栄の象徴として、古くから愛されてきました。3月3日の上巳の節句が、別名「桃の節句」と言われるのも、ひなまつりで女の子の健康と幸福を願い、霊力のある桃の花をおひなさまにお供えするからです。
古くは奈良、平安時代から上巳の節句には、桃の花をお酒に浮かべた「桃花酒」をいただく風習があったそうです。これも、お酒の浄化の力と、桃の魔除けの力を授かるよう願いをこめた厄除けドリンクです。

ひなまつりが盛んになった江戸時代からは、白酒(しろざけ)という、蒸したもち米に、こめこうじ(またはみりんや焼酎)を混ぜて仕込み、ひと月ほど寝かせたあとにすりつぶして作られた、とろみのある白いお酒をいただくのが流行しました。
現在は白酒によく似た飲み物として甘酒が主流になっていますが、原点に返って桃花酒をいただく人もまた増えているようです。
酒器に桃の花を浮かべたすがたは、絵的にも映えるので、現代に向いていると言えるかもしれませんね。
ひなまつりのおかげで、3月のお花屋さんには、美しい桃の枝花が並びます。桃の枝花を部屋に活けると、お部屋の中で桃の霊力が発揮されますので、季節感を楽しみつつ、活けてみましょう。
玄関や鬼門(北東の方角)に活ければ、強力な魔除けに。
居間に活ければ、魅力や富の増幅にひと役かってくれます。
なによりも、桃が仙木であり、天下無敵であることを知って桃の花を眺めていると、なんだか力が湧いてきて、自分まで無敵になったような気になるから不思議です。

(つづく)
神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること

古(いにしえ)より、「生活の知恵」は、「運気アップの方法」そのものでした。季節の花を愛でる、旬を美味しくいただく、しきたりを大事にする……など、五感をしっかり開いて、毎月を楽しく&雅(みやび)に迎えれば、いつの間にか好運体質に!
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神主さん直伝。「一日でも幸せな日々を続ける」ための、12カ月のはなし。
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