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『キングダム』刊行記念

2015.09.14 公開 ポスト

『キングダム』(新野剛志著)
書店員さんの感想がアツい!!新野剛志

8月28日に刊行した新野剛志さんの『キングダム』。刊行前から話題のこの小説には、発売前から書店員さんの感想が続々と寄せられていました! みなさん、激アツです!!

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【あらすじ】過激な暴力と恐怖で裏の世界を牛耳る半グレ集団、武蔵野連合。その頂点に実質君臨する真嶋は暴力団を後ろ盾に闇金ビジネスで荒稼ぎしていた、芸能界や政治家とも繋がり自らの王国を拡大する真嶋。しかし、夷能会の若頭・松中が妨害を始めた。やくざに屈するのか、それとも、戦争か――。「俺のほうが上だ」。永遠に下りることのできない男たちの螺旋を描いた圧倒的エンターテインメント小説。


●内山はるかさん(SHIBUYA TSUTAYA

この厳しい世界にどうして男たちは魅せられてしまうのだろう。半端者では生き残れない裏社会で裏の常識すらぶっちぎる真嶋に恐怖とともに魅力を感じてしまう。出世、金、虚栄、嫉妬、恨み、どんな世界であっても渦巻く感情は変わらない、これに支配された人間の恐ろしさを感じました。誰にでも闇へと続く扉は開かれている。この物語は遠い世界のことのようでありながら、実はすぐ隣で起きている身近なことなのかもしれません。そう思うと暗澹たる気持ちが拭えませんでした。
 

●松本大介さん(さわや書店フェザン店

読み終えてから胸のうちを真嶋に占領されています。甘美な悪の誘惑に犯罪に手を染めるんじゃないかと自分が怖くてしかたない(笑)。悪は本当に悪なのだろうか? わからなくなってしまった!! ……この小説はマンガに勝てる。


●鈴木英幸さん(ブックポート203鶴見店

普段絶対に関わる事のない(関わりたくない)200%ガチのアウトロー祭りを覗き見てたら面白くて首を突っ込みすぎて引き返せなくなった、ような感覚に惹きこまれました。ものすごいダークヒーローの誕生です。ふだん読んでて、主人公に感情移入していくのですが、気付けばまさか自分がこんな血に飢えた悪党目線で読み、興奮してやくざと乱闘するシーンではおそらく自分も脳内で相当ヤバイ奴になっていたんだろうな……。危険度MAX、興奮度測定不能。自分の中の悪魔も目覚める小説。
 

●野尻真さん(谷島屋営業本部

今までそれこそたくさんの本を読んできましたが私の読書人生で徹夜をして読んだ本は2冊しかありません。1冊は馳星周さんの『不夜城』で、2冊めはこの『キングダム』です。エンタメ系小説では、ここ数年でダントツに面白かったです。本当に月並みですが、ページを捲る手が止まらなくなりました。何なら、先が知りたくて少し飛ばしてしまおうかと、わけの分からない思考に陥るくらい面白かったです。
 

●小川誠一さん(マルサン書店仲見世店

悪の魅力に引きずり込まれる! この小説はアウトロー小説、ピカレスクロマンと呼ばれる分類に位置する作品なのでしょう。でも……そのありきたりの言い回しでは何か物足りない。もっとなんというのか、人間の持っている悪の本質というべきモノなのか、それをグイグイ刺激してくるのです。主人公真嶋の悪の魅力・生き方が、我々の心を強引にそして思う存分引きずり回して、いつの間にか読者を虜にしてしまう。この小説の持つ悪の魅力に欲望を感じる人は、犯罪や暴力と全く無縁な一般人なのかもしれない。恐ろしく危険な感触を持つ作品が発売になりました。
 

●久田かおりさん(精文館書店中島新町店

普通に生活している一般ピーポーならば多分一生関わることなく生きていくだろう世界。暴力とドラッグと見たことのない額のお金。その一つ一つがリアルな温度を持って本の中から迫ってくる。関わらずに生きていけるならその方がいい、と頭ではわかっているのに、どうしてこんなにも心惹かれるのだろう。平凡な幸せからはかけ離れたその世界に、なぜ人は惹かれ群がり、そして沈んでいくのか。2人の男が見たその世界は、暗闇なのか、それともつかの間の天国なのか。キングダムというタイトル。読みながら思う。誰が王なんだ。だれがこの世界を動かしているんだ。まだまだ本当の姿は見えていないのかもしれない。その世界、最後まで見てやろうじゃないか。そう思いながら読んでいた。
 

●髙橋佐和子さん(山下書店南行徳店

一人の人間として、めちゃくちゃ面白いこと請け合いです! 欲望に身をゆだねるとは、どんな感じなのでしょう。暴走族は、騒音の中に何を見ているのでしょう。 一気読みでした。覗き見している気分で読みました。ここに登場してくる人たちは、心が病んでいるようにも見えるし、忠実あるいは素直のようにも見えます。 真嶋が考えていることは、私からすると無茶だと思えるし、そのために何人もの命を失うと分かっていたら、そこまで欲望に忠実にはなれない。キングダムを読んでいて、「王国」とあるのに、すごく狭い空間でのやりとりだなと思いました。自由は見方を変えると、「籠の中の鳥」なのかもしれないと思いました。 真嶋に対して嫉妬は感じませんでしたが、生きること、自分の夢に対して誠実だという部分に於いては、かっこいいなぁと思いました。私が興奮した、というよりドキドキしたのは、岸川が真嶋の家にいるときに、いつ帰ってくるのかという部分と、月子が吉井に純粋に恋をしている部分でした。少しずつ変化していくところは、震えがきました。恐怖と興奮は似ているのかもしれません。怖いから癖になる。そういう刺激を平凡な日々を過ごしている人が欲していて、だからこそ、こうした小説が面白いと思うのかもしれません。


●藤田哲也さん(久美堂小田急店

男の欲望とは何か? 何をして成功と言えるのか? 廻りから見れば欲しい物は手に入れているハズだが、本物の男は常に上を目指す。読み進めるうちに主人公真嶋と相対する岸川の双方に感情移入してしまう自分が恐ろしい。読む程にそそるこの得体の知れない興奮。フィクションである事はわかっているが、どうしても私は真嶋や岸川と重ねてしまう。真嶋に嫉妬しているのか?読者である自分が、まさか……! 凄い! 凄すぎる!!
読み終わった人はみなそれぞれ言いたい事が山ほどあると思う!この小説「キングダム」は読者が小説をコントロールしても良いと思う。そして、ぶち壊しても良いと思う。なぜなら、「キングダム」だから。


●原川清美さん(谷島屋呉服町本店

最後までドキドキしながら読みました。怖いけど覗いてみたい知らない世界がここにある。アウトローな世界を思う存分楽しみました。このアウトローの世界にもルールがあって、守らないとひどい目にあうとわかっていながらも、自分の信念を曲げない姿はすごい。思いもしない(最後まで気づかない)岸川の妨害と、それ以外のしがらみなどで、結局、真嶋の望んでいるキングダムは作れなったけど、この先どんな形で戻ってキングダムを作るのか見届けてみたい。知らない世界を外から眺めるから面白いのであって、この世界に引きずり込まれたら嫌だなあ~と思いながら読みました。

関連書籍

新野剛志『キングダム』

岸川昇は、リストラにあい失業中。偶然再会した中学の同級生、真嶋は「武蔵野連合」のナンバー2になっていた。真嶋に誘われ行った六本木のクラブでは有名人たちが酒と暴力と女に塗れ……。そんな中、泥酔し暴れる俳優に真嶋が「自分で顔をナイフで切れ」と迫る――。絶叫と嬌声と怒号。欲望を呑み込み巨大化するキングダム。頂点に君臨する真嶋は何者か。

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