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官能小説の世界へようこそ

2016.06.25 公開 ポスト

官能小説『義娘の尻ぼくろ』試し読み第4回
二人夫は疲れるけれど……

義父とのスリリングでエロティックな同居生活を綴る、書き下ろし官能小説『義娘の尻ぼくろ』(生方澪)より一番の読みどころをお届けします。

第四章 二人夫は疲れるけれど……

 翌日の午後、紗理奈は家に戻ってきていた。月曜日からは仕事で忙しくなるので、少しでも体を休めるため、淳也との休日をゆっくり過ごす間もなく帰宅したのだ。
 耕一は家にいて、紗理奈の顔を見るとすぐにコーヒーを淹れてくれた。機嫌をとるつもりなのかケーキまで買ってきてあった。
「そうか、離れていても夫婦仲がいいのは何よりだな」
「仲よくしすぎて……もうくたくた」
 紗理奈の声にはいかにも倦怠感が漂っていた。
「しかしお前たちも若いな。一晩に十回とはね。たいしたもんだよ」
「離れているのが功を奏したかもね。たまにすると新鮮でしょ。実は、朝起きてからもう一回しちゃったの……」
 紗理奈はモンブランを一口フォークに載せて口に運びながら、声を出さずに笑った。
「すごい体力だな。あいつ、ケダモノ並みだ」
「ケダモノに襲われるのって、悪くない」
「そんなに何度もイッて、出るものがあったのかな」
「終わりの方はだいぶ少なくなってたみたい。あと薄いっていうか……」
「あんたの体も大変だろ」
「疲れたけど、でも平気。ジュンはさすがに腰が重いって言ってた。そりゃまあ、あんなに動かせば……」
 耕一はやれやれといった風に力なく笑った。
「あんた、おめでたが近いんじゃないのか?」
「それは大丈夫。仕事が忙しくてまだ妊娠するわけにはいかないんだから」
「避妊薬でも飲んでるのか?」
「お答えできません。夫婦のプライベートなことに首を突っこまないでくださいっ」
 紗理奈はぴしゃりと返した。あまり機嫌のいいところを見せると、耕一はすぐまたいい気になるので注意しなければならない。
「はいはい、わかりました。夕飯はカレーだよ」
「あら、ちょうど食べたかったの。じゃあ私、部屋で少し休んでこようかな」
 コーヒーを飲み干すと、紗理奈はさっと立ち上がった。
 エアコンをほどよく利かせた部屋で紗理奈は布団を敷き、ひとりで横になっていた。
 きのうもきょうも新幹線に揺られ、おまけにゆうべは三時間しか寝ていないので体はかなり疲労していた。だが性的には十分すぎるほど満足していたし、何より夫と濃密な時間が過ごせたことで、ストレスや不満はだいぶ解消されていた。
 夫に抱かれていなかったことが、イライラのいちばんの原因だったのだろう。記録に挑戦したいと言われた時は驚いたが、淳也のそんな子どもっぽい思いつきや突飛な行動は決して嫌いではない。
 浮気の心配などまったくの取り越し苦労だったのだ。万が一、どこかの若い女と遊んでいたら、たまった性欲を妻にぶつけることなどあり得ないだろう。
 ゆうべの淳也はまさに野獣だった。果てても果てても挑んでくるのだ。紗理奈はくたくたになりながらも、腰が抜けそうなほどの激しい抜き挿しを繰り返してくる彼を毎回受け入れたのだ。
 紗理奈がうとうとしていると部屋のドアが開き、耕一が足音を忍ばせて入ってきた。
「だめよっ、きょうはマジでだめだからね」
 その声には、絶対に寄せつけないという意志の強さがみなぎっていた。
「わかってる。わかってるって……何もしないから」
「だったら何しに来たの?」
「あの、見るだけでいいんだよ。きょうはお前さんも疲れているだろうから、エッチはなしだ」
「何を見たいわけ?」
「ん、体。十回もやったって聞いて、何か変化があったかなって」
「そりゃあ、もうボロボロよ。おっぱいなんか吸い尽くされて、乳首のまわりが腫れちゃった」
「ええっ、大変だ。見せてごらん」
 紗理奈は横になったまま着ていたTシャツの裾をまくり上げた。寝る前にブラははずしたので、すぐに乳房が顔を出した。
「こりゃあ、ひどいな……」
「ジュンに何度も何度も吸われたせいよ」
 もともと紗理奈の乳輪は小さくごく薄いピンク色だが、ふたつとも濃いめのローズ色に変わって、しかも腫れていた。そして乳頭は刺激を受ける前だというのにすでにピンと立っていたのだ。
「あいつ、よほどしつこくしゃぶったんだな」
「いくら言っても興奮してくると強く吸うのよ。もう伸びきって中年女のおっぱいみたいになっちゃったかも」
「いやあ、まだこんな張りがあるし……」
 耕一はおそるおそる乳房に手を伸ばして触った。耕一の掌には収まりきれないほどのボリュームだ。
「しかもあいつ、キスマークをしっかり残してるぞ、ほら」
 重量のある乳肉を手で持ち上げてやると、乳房の下には痣のようなくっきりとした紫色の痕跡が現れた。
「ええっ、いやだ。そんなものつけちゃって」
 紗理奈は顔を歪めたが、耕一に触られていることは気に留めていなかった。
「一週間もすれば自然に消えるから」
 彼は指で痣を擦っていたが、何気なく胸を揉み始めていた。
「あん……いたずらしたら、だめよっ」
「はいはい。じゃあ、下の方も見せてくれるかな。アソコはどんな風になってるか、ちょっと見てみたいんだよ。少し下ろしてくれたら……」
 耕一はショートパンツに手をかけずに、指をさしながら言った。
「実はアソコもヤリすぎてぼろぼろなの。ヒリヒリっていうか、ずきずきするように痛みもあるし、一体どうなっているのか自分でもよくわからないのよ」
「おおっ、それはちゃんと見てみないとな」
 すると紗理奈は自分からショートパンツと下着のパンティをまとめて下ろした。膝まで下げたところで止めていると、耕一が続けて足首から抜いてしまった。
「初めての時みたいにアソコが痛むのか?」
「まさか。それとは違うけど……」
「ほら、サリーちゃん、そのきれいなあんよを広げてごらんよ。でないと中がよく見えないから」
 紗理奈はとても素直に彼の言うなりに、脚をMの字に開げてみせた。
 

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