義父とのスリリングでエロティックな同居生活を綴る、書き下ろし官能小説『義娘の尻ぼくろ』(生方澪)より一番の読みどころをお届けします。
第五章 秘密のモデルデビュー
「どう? 案外大変だろう」
耕一はペットボトルのお茶を差し出しながら言った。
「夢中だったわ。残り時間を聞くまで疲れも感じなかったぐらいよ」
「恥かしかったか?」
「ううん、ぜんぜん。むしろ気持ちよかった。さあ、私を描いてっていう感じ」
「ははっ、さすがだな。お前さんには合ってる仕事だと思うよ」
「ヤミツキになりそう」
「だったら時々モデルやってくれると助かるよ」
「考えておく。でもジュンには内緒よ」
紗理奈は笑いながら片目をつぶってみせた。
「そうそう、いちばん右端の若いのが、舐めるように見ていたぞ」
「あら、気づかなかった。そんな人いたかしら。みんな若さがなくて、どんよりしている感じだったけど」
「あれがいちばん若いメンバー、政志っていうんだ。唯一の二十代、女性経験なし」
「あらー、そうなんだ。童貞くんね」
「うん、だからその、ちょっとサービスしてやってくれないかね。多めに見せるとかさ。頼むよ」
「ふふっ、考えとく」
休憩時間が終わりそうになったので、紗理奈は首を回したり腕を回したりして軽く体をほぐした。そしてゆっくりと立ち上がった。
次のポーズは少し複雑にしてみた。椅子に片手をつきやや前かがみになったので、ボリュームのある乳房がさらに大きく見える。空いているもう片方の手で体を隠すことはせず、すべてさらけ出した。膝を曲げて腰を突き出すようにしたので、座っている位置によってはかなりいやらしいポーズに見えるかもしれない。
紗理奈はさっと視線を動かし政志を探した。いちばん端に目立たない感じでこぢんまりと座っていた。みんなが早々に鉛筆を動かし始めているのに、彼だけはぼんやりしてモデルとスケッチブックを代わる代わる見つめていた。
童貞くんには刺激が強すぎたかしら……紗理奈は心の中で笑っていた。彼の位置からだけはヴァギナがよく見えるだろう。もちろんそれも計算のうちだ。
いったんポーズを決めたら極力動かずじっとしていなければならないが、紗理奈はやや脚の位置をずらして、政志の位置からさらに秘所が見えるように工夫した。
政志の顔は紅潮しているようだった。ようやく鉛筆を走らせたが、集中していないことは明らかだった。他の男たちもクールにデッサンしているように見えるが、実際は頭の中でどんないやらしいことを想像しているか、わかったものではない。
紗理奈のソコはどんな時でも常に潤っているそうだから、今ももうじわじわと蜜が染み出しているだろう。汗をかいたように濡れ光っているかもしれない。
さあ、描いて。私のこのいやらしい体をうんと卑猥に描いてよ。
後方の席に座っている耕一と目が合った。言葉など交わさなくてもアイコンタクトだけで、お互い何が言いたいのか理解できる。
『大丈夫、政志くんにはうんとサービスしてるから』